1.2 「2025年度に増額された年金」が支給されるのは6月から

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前年度と比べた際の1.9%の増額は、4月分の年金から適用されますが、実際に支給されるのは6月支給分からとなります。

というのも、公的年金は年に6回偶数月の原則として15日に、前月と前々月の分がまとめて支給されるためです。

つまり、4月支給分は5月支給分とまとめて6月に支給されるということです。

6月15日は日曜日にあたるため、前倒しで6月13日金曜日が振込日となりました。

なお、次回の年金支給日は8月15日金曜日です。6月分と7月分の公的年金が支給されます。

1.3 「2025年度の公的年金」増額率が1.9%になる理由

2025年度の公的年金受給額が、前年度比1.9%の増額となる理由は次の通りです。

年金額は、現役世代の手取り収入(名目手取り賃金変動率)と物価の動き(物価変動率)をもとに、毎年改定されます。

物価が上昇した場合でも、現役世代の手取り収入がそれほど増加していないときは、年金制度を支えている現役世代の負担が重くならないようにするため、公的年金の増額率は低くなります。

2025年度の年金額は、名目手取り賃金変動率が2.3%ですが、マクロ経済スライドによる調整が行われ▲0.4%となるため、差し引いて1.9%の増額となるのです。

ではこの「マクロ経済スライド」とはどのようなものなのでしょうか。次章で解説していきます。