1.1 生活保護費は5年に1度見直しが行われている
生活保護のうち生活扶助の金額は、生活保護を受給していない所得が低い世帯とのバランスをとるために、総務省が公表する「全国家計構造調査」をもとに5年に1度見直しが行われています。
前回見直しが行われたのは2023年10月から支給されている分で、2022年の全国家計構造調査の結果に基づいて計算されています。
前回の見直しでは、新型コロナウイルスの感染拡大や、食料品や日用品などの物価高騰の影響などを考慮し、2023〜2024年度の2年間は引き下げを行わないとする臨時措置が取られました。
その際に、特例加算1000円のプラス支給が決まり、1000円を加算しても基準額が減額する場合は、それまでの基準額が据え置かれることになりました。
なお、次回の生活扶助の見直しは、2027年度に前倒しで行われることが予定されており、最新の調査結果や社会情勢を適切に反映させたものにするとされています。
2. 生活保護の受給申請数は年々増加している
厚生労働省の「被保険者調査」 によると、生活保護の申請件数は年々上昇傾向にあります。
過去5年間の生活保護申請件数の推移は、以下のとおりです。
2019年度の申請件数は22万3000件ほどだったものが、2020年度・2021年度には23万件弱に増加しており、さらに2022年度には24万5000件ほどに、2023年度には約25万件にまで増加しています。
2020年度以降の新型コロナウイルスの感染拡大による収入の減少や、近年の物価上昇の影響などもあり、生活保護を申請する世帯が増えていると考えられます。