2. 年収1000万円の会社員の手取り給料は?

年収1000万円の会社員の手取り給料はいくらなのでしょうか。東京23区在住の40歳代の会社員を例に、年収1000万円の会社員から差し引かれるお金を計算してみましょう。なお、それぞれの計算は以下のとおりです。

  • 所得税:所得金額×税率-控除額
        所得金額=年収-(給与所得控除+基礎控除+社会保険料控除)
  • 住民税:所得金額×10%+5000円(均等割)
  • 健康保険料:標準月額報酬(83万円)×4.955%×12
  • 雇用保険料:給与×5.5/1000
  • 厚生年金保険料:標準月額報酬(上限65万円)×9.15%×12
  • 介護保険料:標準月額報酬(83万円)×0.795%×12

2.1 所得税

  • 1000万円-195万円(※1)-48万円(※2)-(49万3524円+5万5000円+71万3700円+7万9716円)=622万8060円622万8060円×20%-42万7500円=81万8112円

2.2 住民税

  • 622万8060円×10%+5000円=62万7860円

2.3 健康保険料

  • 4万1127円×12=49万3524円

2.4 雇用保険料

  • 4583円×12=5万5000円

2.5 厚生年金保険料

  • 5万9475円×12=71万3700円

2.6 介護保険料

  • 6598円×12=7万9716円

2.7 合計額

  • 278万7912円

2.8 手取り給料額

  • 721万2088円

※1:給与所得控除(年収1000万円の場合は195万円)
※2:基礎控除(年収1000万円の場合は48万円)

税金・社会保険料で約300万円が差し引かれます。手元に残る金額は約7割で、月あたり約60万円となります。

とくに負担が大きいのが社会保険料です。健康保険料は約50万円、厚生年金保険料は70万円、雇用保険料が約5万円、介護保険料が約10万円と、差し引かれるお金のほぼ半分が社会保険料を占めています。

税金は生命保険料の支払いや医療費控除などで税額を抑えられますが、社会保険料はなかなか減免などを受けられないため、重い負担となるでしょう。

年収が1000万円以上ある人の税金や社会保険料が「負担が大きい」と感じやすい理由は、このほかにも複数あります。次章で解説していきます。