2025年6月13日(金)は公的年金の支給日。

この日、シニア世代の人たちは、年金をどのくらい受け取ると思いますか?

年金収入だけで生活できていると思いますか?

将来、訪れる自身の老後生活に漠然とした不安を抱えている人は少なくないでしょう。

リタイアして増える自由な時間を思う存分満喫したいとワクワしている人もいるかもしれませんね。

「老後」をどのように迎え、どのように過ごすかは現役時代の準備次第といっていいでしょう。

本記事では老後対策の参考に、シニア世代のおひとりさま世帯に対象を絞って、リアルな家計収支をご紹介します。あわせて年金額のモデルケースもご紹介しますのでぜひご確認ください。

1. 65歳以上の無職単身世帯「ひと月の家計収支」はいくら?

総務省統計局「家計調査報告 家計収支編 2024年(令和6年)平均結果の概要」を参考に、65歳以上の単身無職世帯のひと月の家計収支データを見ていきましょう。

65歳以上《単身》無職世帯の毎月の実収入:13万4116円

■うち社会保障給付(主に年金):12万1629円

65歳以上《単身》無職世帯の毎月の支出:16万1933円

■うち消費支出:14万9286円

  • 食料:4万2085円
  • 住居:1万2693円
  • 光熱・水道:1万4490円
  • 家具・家事用品:6596円
  • 被服及び履物:3385円
  • 保健医療:8640円
  • 交通・通信:1万4935円
  • 教育:15円
  • 教養娯楽:1万5492円
  • その他の消費支出:3万0956円
    • 諸雑費:1万3409円
    • 交際費:1万6460円
    • 仕送り金:1059円

■うち非消費支出:1万2647円

  • 直接税:6585円
  • 社会保険料:6001円

65歳以上《単身》無職世帯の家計収支

  • ひと月の赤字:2万7817円
  • エンゲル係数(消費支出に占める食料費の割合):28.2%
  • 平均消費性向(可処分所得に対する消費支出の割合):122.9%

この単身世帯の月間支出総額は16万1933円で、その内訳は社会保険料や税金などの「非消費支出」が1万2647円、消費支出が14万9286円となっています。

一方、月の収入は13万4116円で、その約9割にあたる12万1629円が主に公的年金からの収入です。

エンゲル係数は28.2%、平均消費性向は122.9%となっており、結果として毎月2万7817円の赤字が発生しています。

1.1 65歳以上「家計収支データ」の留意すべき点とは

先ほどの家計調査には、いくつか注意しておきたい点があります。

まず、支出項目に「介護費用」が含まれていない点、そして高齢者世帯は持ち家率が高いため、住居費が1万円台と比較的低く抑えられている点が挙げられます。

健康状態や住宅環境によっては、これらの費用が増える可能性もあり、その分の準備が必要となるでしょう。

また、「非消費支出」として挙げられている通り、老後も税金や社会保険料の支払いは継続します。

これらは年金から天引きされるケースが多いことも押さえておくべきポイントです。

65歳以降の無職世帯が赤字を補う方法として、貯蓄の取り崩しや不労所得などで不足分を補填することが考えられますが、これは世帯ごとに状況が異なり、全ての世帯が確実に実行できるわけではありません。

そこで次章では、より安定的な老後の収入源となる老齢年金について詳しく見ていきます。