アイカ工業、営業・経常利益は9期連続増益 通期計画は期初公表値を据え置き

2018年11月16日に行われた、アイカ工業株式会社2019年3月期第2四半期決算説明会の内容を書き起こしでお伝えします。IR資料

スピーカー:アイカ工業株式会社 代表取締役社長 小野勇治 氏

1. 2019年3月期第2四半期 連結決算の概要

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小野勇治氏:アイカ工業の小野でございます。本日は、当社の2019年3月期第2四半期の決算説明会にご参加を賜りまして、誠にありがとうございます。それではこれより、当社の中間決算の概況と今後の事業展開につきまして、ご説明をさせていただきます。第2四半期決算実績、通期決算計画、その他の項目につきましてご説明をいたします。

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まず、第2四半期決算の概要につきましてご説明をいたします。2019年3月期第2四半期の連結業績の概要は、ご覧のとおりです。売上高が908億3,200万円、営業利益が96億7,000万円、経常利益が101億900万円、親会社株主に帰属する四半期純利益が60億4,400万円となりました。なお、親会社株主に帰属する四半期純利益につきましては、以後「四半期純利益」と省略させていただきます。

売上高・経常利益は、計画を上回ることができました。営業利益につきましては、原材料費高騰の影響を受けまして若干計画を下回る結果となり、四半期純利益につきましては、平成30年(2018年)7月豪雨による、広島工場の浸水被害の特別損失の4億円を一時的に計上したため、計画を下回る結果となりました。

なお、広島工場の被害につきましては、損害保険を付保しておりまして、保険金を受け取った際には特別利益として計上する予定でございます。

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1. 第2四半期 連結決算の概要

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その結果、売上高は9期連続増収、営業利益・経常利益は9期連続増益、四半期純利益は3期連続増益となりました。また、売上高では6期連続、営業利益・経常利益では7期連続、四半期純利益では2期連続で、過去最高を更新いたしました。

この上半期は、国内建設事業においては、非住宅向けが好調に推移したものの、住宅向けは着工件数の減少を受けまして低調に推移しました。海外の販売面におきましては、アイカ・アジア・パシフィック、略してAAPと言いますが、このAAPを中心に好調に推移しました。

台湾のエバモア社、タイ・ケミカル社、この新規連結も開始いたしました。また、東南アジア地域における化粧板販売も、順調に売上を伸ばすことができました。

1. 第2四半期 連結決算の推移

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最近5年間の第2四半期の連結売上高・経常利益・四半期純利益の推移は、スライドのとおりです。

1. 第2四半期 主要項目の状況

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これは、第2四半期の設備投資額・減価償却費・研究開発費・借入金および人員等の状況です。

2019年3月期第2四半期決算の設備投資額は、約32億7,000万円でした。主なものは、名古屋R&Dセンターの開設に3億8,000万円、アイカテック建材の設備投資増強に4億2,000万円、ベトナムでのメラミン化粧板新工場建設に2億8,000万円、AAPグループでの設備増強・更新等の5億3,000万円などがありました。

1. 第2四半期 セグメント別実績

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スライドは、2019年3月期第2四半期のセグメント別業績を当初計画と比較したものです。ここでは、営業利益の増減を中心にご説明させていただきます。

化成品セグメントの営業利益は36億4,100万円と、計画の37億9,000万円を下回りました。営業利益率も7.0パーセントと、計画の7.9パーセントを0.9ポイント下回っております。新規連結の効果や、アイカ・アジア・パシフィックののれん償却減による増益があったものの、原材料費が想定を上回るペースで高騰したことが主な要因です。

一方、建装建材セグメントの営業利益は72億8,900万円と、計画の73億3,500万円を下回りました。営業利益率は18.9パーセントと、計画の18.4パーセントを上回りました。これは、アイカ工業単体における販管費や固定費の増加を、増販益や売価差における原価利益の増加によりカバーできたことが、主な要因です。

1. 利益増減(化成品) 〈17/9期vs.18/9期〉

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このスライドは、化成品セグメントにおける2018年3月期と2019年3月期第2四半期の営業利益の差異について、要因別に分析したものです。

利益の改善要因は、アイカ工業単体の販売増や新規連結効果、アイカ・アジア・パシフィックののれん償却減等による海外グループ会社の増益で、6億3,700万円の増益要因がありました。

一方、原材料高騰による利益率の低下、製造固定費・販管費の増加等で3億7,100万円の減益要因がありました。この結果、差し引きで2億6,600万円、利益が増加いたしました。

1. 利益増減(建装建材) 〈17/9期vs.18/9期〉

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続いて、建装建材セグメントです。

利益の改善要因は、アイカ工業単体の増販益や売価差等で、3億7,200万円の増益要因がありました。一方、利益減少要因といたしましては、販管費の増加、国内グループ会社の減益等で、2億5,200万円の減益要因がありました。この結果、差し引きで1億2,000万円の利益が増加いたしました。

2. 2019年3月期 経営環境予測

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続いて、今期の通期業績計画についてご説明をいたします。

今期の経営環境についてですが、当社の主力市場でございます国内の建設市場におきましては、住宅は貸家の供給過多による一服感などにより、前年比で1.7パーセント程度減少すると想定しております。

非住宅市場は、五輪特需やインバウンド効果によるホテルの着工増、首都圏オフィスの大量竣工などにより、2.2パーセントの拡大を予想しております。

一方、海外市場につきましては、引き続き中国・ASEANを中心とした国々の成長持続に伴い、接着剤のほか、高品質のメラミン化粧板の需要が拡大すると見込んでおります。また、為替・ナフサ価格の前提は、ご覧のとおりでございます。

2. 2019年3月期計画

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今期の通期業績計画は、ご覧のとおりです。

国内の住宅市場において着工件数の減少が見込まれることと、海外市場においては、中国および東南アジア地域を中心に産業用樹脂の需要が堅調ではあるものの、原材料高騰の影響が利益を押し下げる厳しい状況が続くと見ております。

値上げの浸透による増益効果も見込まれるものの、市場環境が不透明であることから、通期計画は据え置くことといたしております。

2. 2019年3月期 通期セグメント別業績計画

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通期のセグメント別の売上高・営業利益の計画と、前期との比較は、スライドのとおりです。

2. 利益増減計画(化成品) 〈18/3期vs.19/3期〉

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このスライドは、化成品セグメントにおける、2018年3月期と2019年3月期の営業利益見通しの差異を要因別に分析したものです。

増販益や、アイカ・アジア・パシフィックを中心とした海外グループ会社の増益等により、16億4,400万円の利益を増加させる一方、原材料価格高騰による利益率の低下、人件費増による製造固定費や販管費の増加等により、5億1,700万円の利益減が見込まれますが、前期に比較して11億2,700万円増の、営業利益76億6,500万円を確保する計画で進めてまいります。

2. 利益増減計画(建装建材) 〈18/3期vs.19/3期〉

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続きまして、建装建材セグメントです。

増販益やコストダウンによる利益率の改善によりまして、8億8,800万円の利益を増加させる一方、人員増による固定費の増加や物流費の増加、グループ会社の減益等により、6億8,300万円の利益減が見込まれます。

前期に比較して2億500万円増の、営業利益で158億2,900万円を確保する計画で進めてまいります。

3-1 化成品セグメント 実績および計画

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続いて、セグメント別の現況と方策をご説明いたします。

まず、化成品セグメントです。このセグメントは、接着剤・建設樹脂・非建設分野として注力している機能材料事業で構成をしております。

上半期の実績および通期の計画は、ご覧のとおりです。

3-1 化成品セグメント 実績(接着剤)

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接着剤については、海外ではアイカ・アジア・パシフィックが、中国・タイ・インドネシアにおける繊維板用樹脂・産業用樹脂の需要を取り込むことができ、好調に推移しました。販売量も想定以上の速度で成長しております。

国内においては、施工現場向けのタイル貼り用接着剤や、産業用のフェノール樹脂が好調に推移しましたが、平成30年(2018年)7月豪雨で、アイカ工業の接着剤の約4分の1を生産する広島工場が1.5メートルの浸水被害に遭い、約2ヶ月間弱生産が中止することとなりました。

BCPが機能いたしまして、愛知・福島・群馬・兵庫の、ほかの工場で代替生産を行うことによりまして、供給はほぼ止めることなく対応することができましたが、代替生産と復旧活動には多くの労力を必要とし、国内の接着剤の売上はほぼ横ばいで推移しました。

3-1 化成品セグメント 実績(建設樹脂)

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次に、建設樹脂です。

外装・内装仕上塗材の「ジョリパット」は、職人不足の影響から施工費が上昇し、新築向け・リフォーム向けともに前年を下回る結果となりました。

また、塗床材は、国際的な食品安全衛生基準HACCPに対応した、食品工場向け高機能塗床材の「アイカピュール」が、工場着工増の影響を受け好調で、前年を上回りました。

一方、「ジョリシール」「ダイナミックレジン」は、コンクリート片のはく落防止剤であるクリアガード工法が好調でしたが、昨年の大型案件の反動減があり、「ジョリシール」が低迷し、前年を下回りました。

この結果、建設樹脂全体としては前年を下回りました。

3-1 化成品セグメント 実績(機能材料)

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次に、機能材料です。

ホットメルト・機能性アクリルは、ヘッドランプ用シール材や衛生剤向けホットメルト接着剤が新規採用を獲得し、復活の兆しを見せてはいるものの、太陽光パネル向けシール材が低迷し、前年を下回りました。

有機微粒子につきましては、国内の化粧品用途や、国内外の塗料向けの改質材が好調で、前年並みの高い売上を維持しました。

UV樹脂・シリコーンは、中国の環境規制の強化に端を発するシリコーン原料の供給不足問題から、前年を下回りました。

アクリル・コンパウンドは、手袋用途、紙・粘着剤用途、塗料用途などが好調で、前年を上回りました。

また、今期より新規連結を開始した台湾のエバモア社、略してEMCと言っておりますが、原材料価格高騰の影響を受けたものの数量ベースでは成長し、売上高で67億2,000万円、営業利益で1億円の寄与でございました。

これらの結果、機能材料事業全体は前年を上回りました。

3-1 化成品セグメント 方策(接着剤)

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続きまして、今後の重点方策についてご説明いたします。

海外の接着剤については、アイカ・アジア・パシフィック、略してAAPを中心に既存ビジネスの拡大を図ってまいります。とくに中国では、環境問題意識の高まりから、木材に代わり、成長が早く豊富な資源であります竹を材料とした建材や木工製品が急拡大しております。AAPは、竹用のフェノール(樹脂)が大きく伸びておりますが、これをさらに伸ばしていく計画でございます。

また、タイ・ケミカル社、略してTCCですが、このTCCの新規連結も第2四半期から開始しております。国内については、フェノール樹脂事業部を中心に、群馬・愛知・広島の3つの工場を活用して、合板・研磨材・断熱材など、さまざまな用途においてシェアを拡大してまいります。

3-1 化成品セグメント 方策(建設樹脂)

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建設樹脂については、改修分野の強化や、アイカソリューション商品、略してAS商品の拡販に注力してまいります。このアイカソリューション商品とは、国内の職人不足問題やインフラの老朽化問題など、社会課題解決型の製品群を指します。

外装・内装仕上げ塗材の「ジョリパット」は、全国に広がるジョリパット施工店会を活用し、改修向けの新商品を上市して、リフォーム市場を獲得してまいります。

また、塗床材では、紫外線による変色を抑えた高耐候塗床材、のアイカピュール ピュールハードAH工法」を提案し、需要を取り込んでまいります。この商品は、目地処理が不要で、工期短縮・職人不足対策にも対応した、業界初の商品となります。

補修・補強分野では、外壁タイルのはく落防止工法を、オフィスビルオーナーに訴求するクライアント活動を強化し、売上拡大を図ってまいります。

3-1 化成品セグメント 方策(機能材料)①

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一方の、機能材料事業につきましては、今期より新規連結した台湾のエバモア社と、アイカ工業、AAPグループのシナジーを追求してまいります。また、既存商品群については海外展開、製造拠点の最適化、伸張市場における商品開発に注力をしてまいります。

3-1 化成品セグメント 方策(機能材料)②

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機能材料事業につきましては、とくに自動車関連に注力をしてまいります。

アイカ工業の展開する自動車向け接着剤は、燃料フィルター用エポキシ、シート・カーペット・バッキング材のアクリル、ドア内装用のウレタン、水系ゴム、溶剤ゴム系接着剤等がございます。ヘッドランプ向けのホットメルトは、国内ではシェアが約50パーセント程度あり、また現在中国・タイで現地生産を展開して、アジア全域に供給しております。

自動車内装用に、高耐熱グレードのウレタン樹脂やリサイクル性のホットメルト、排水など環境に対応したUV樹脂、こういうものを自動車部材メーカー向けに開発・販売していく予定でございます。

自動車向け接着剤・樹脂製品の売上は、化成品セグメント全体で現在年間25億円程度でございますが、中計最終年度の2020年度に35億円へ拡大する計画で進めております。

今期より新規連結を開始しました台湾のエバモア社や、タイのタイ・ケミカル社の買収の狙いも、この分野での技術的なシナジーや、地理的補完性を狙ったものでございます。グループ一丸となって、拡販に努めてまいりたいと考えております。

3-2 建装建材セグメント 実績および計画

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続いて、建装建材セグメントです。

このセグメントは、メラミン化粧板、ボード・フィルム等、セラール、不燃建材、カウンター・ポストフォーム、建具・インテリア建材で構成しております。

上半期の実績および通期の計画は、ご覧のとおりです。

3-2 建装材セグメント 実績①

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国内の建設市場は、住宅着工件数が減少しましたが、非住宅市場が回復し、建装建材事業全体では堅調に推移しました。住宅着工の減少をカバーするための、ホテル・育児施設・工場など、伸張している非住宅市場への営業活動が奏功しております。

3-2 建装材セグメント 実績②

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また、2015年10月よりアイカグループに加わったアイカテック建材の商材は、アイカ工業が強みを持つデザイン性の付与や、メラミン化粧板やセラールなど、アイカの持つ販路に乗せることによりましてシナジーが発揮され、建装建材セグメントの成長を牽引しました。

3-2 建装建材セグメント 方策①

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建装建材セグメントの今後の重点方策としては、着工面積の増減に左右されにくい体質を構築するため、改修分野の強化、AS商品の拡販を推進してまいります。キーワードは「省施工」「廃材削減」「職人不足対応」「物流費削減」「工期短縮」「子育て支援」などです。

3-2 建装建材セグメント 方策②

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また、納入時期を迎えるオリンピック関連施設についても、確実に刈り取ってまいります。

4. 海外事業の実績および計画

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続いて、海外事業の現況と方策をご説明いたします。

2019年3月期第2四半期の海外事業は、アイカ・アジア・パシフィックが、アジア・太平洋地域の繊維板用樹脂や産業用樹脂の需要を取り込むことができました。また、東南アジアにおけるメラミン化粧板の販売数量も伸び、加えてエバモア社の新規連結効果もあり、売上高は383億円となりました。

引き続き、中国・インドネシア・タイ等のアイカ・アジア・パシフィック拠点において、繊維板用樹脂・産業用樹脂の需要を取り込むとともに、アジア地域におけるウレタン樹脂・UV樹脂・メラミン化粧板のシェア拡大を図ってまいります。

海外売上高は38パーセント増の752億円、海外売上比率は40.6パーセントを計画しております。

4. 海外事業 トピックス(海外化粧板事業)

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海外におけるメラミン化粧板事業は、インドの子会社においては、国内向けは一般消費者向けリテールが伸び悩み苦戦しましたが、中東向けの輸出が拡大し、売上を伸ばすことができました。その他地域においては、インドネシアやベトナムを中心に販売数量が伸びております。

昨年(2017年)12月には、この旺盛な化粧板需要に対応するために、アイカ・ラミネーツ・ベトナムを設立しました。現在建設中の新工場が2019年4月に稼動を開始すれば、海外でのメラミン化粧板製造能力は、現状の1.3倍に拡充する予定でございます。

また、2018年1月に設立した、アジア地区におけるメラミン化粧板の販売統括会社であるタイのアイカ・アジア・ラミネーツ・ホールディング社は、4月から本格稼働を開始しております。海外の化粧板用ホームページを立ち上げるなど、アジア地域におけるアイカブランドの向上と、現地における設計指定力を強化してまいります。

5. 中期経営計画(2018/3期‐2021/3期)の進捗

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続いて、中期経営計画の進捗をご報告いたします。

中期経営計画の進捗は、スライドのとおりでございます。東京オリンピックが行われる2021年3月期には、売上高で2,000億円、経常利益で220億円を達成する目標で進めております。目標の必達に向けて、グループ一丸となり邁進する所存です。

6. 配当について

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最後に、配当についてご報告いたします。

当社は、株主のみなさまへの利益還元と当社の持続的な成長を実現するため、各期の連結業績・配当性向および内部留保を総合的に勘案した上で、配当を行ってまいります。今中期経営計画「C&C2000」においては、配当性向50パーセントをめどに、連結業績に連動した株主還元を実施しております。

2019年3月期の1株当たり中間配当は、期初に公表しておりましたとおり、47円にて決議しております。期初の予定どおり、期末配当金は56円、年間配当金額は103円を予定をしております。

以上で、私の説明を終わらせていただきます。今後とも持続的に情報開示に努めてまいりますので、何卒ご指導・ご鞭撻のほどをよろしくお願い申し上げます。ご清聴、どうもありがとうございました。

記事提供:ログミーファイナンス

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