止まらぬ物価上昇が、世代を超えた多くの世帯の家計を圧迫しています。
みなさんは、低所得の年金生活者を支える「年金生活者支援給付金」という制度を知っていますか?老齢・障害・遺族年金の受給者のうち、一定の条件を満たす場合に「年金に上乗せして」支給されるものです。
ただし、年金生活者支援給付金を受け取るためには申請手続きが必要となります。
今回は、公的年金を補完する、この「年金生活者支援給付金」制度にフォーカス。支給条件や給付額、申請方法などを分かりやすく解説します。
さらに、現在のシニア世代がどの程度の公的年金を受け取っているのかも見ていきたいと思います。
1. 6月13日受け取り分から増える【年金生活者支援給付金】いくらもらえる?
公的年金等の収入金額やその他の所得が一定基準に満たない人を対象にした「年金生活者支援給付金」。
老齢年金、障害年金、遺族年金のそれぞれの年金に設けられており、公的年金に上乗せして支給されます。
年金生活者支援給付金は、毎年度、物価変動に応じて給付額の見直しが行われます。
2025年度の「年金生活者支援給付金」の給付額は、前年より2.7%引き上げとなりました。この増額率が適用されるのは、6月13日(金曜日)支給される、2025年4月分の給付金からです。
- 老齢年金生活者支援給付金(月額):5450円(※基準額)
- 障害年金生活者支援給付金(月額):1級6813円・2級5450円
- 遺族年金生活者支援給付金(月額):5450円
老齢年金生活者支援給付金については、上記を基準額として、保険料納付済期間などをもとに実際の給付金額が計算されます。保険料納付済期間が40年間(480ヵ月)に満たない場合、その分が差し引かれて支給されることに留意しておきましょう。
しかし、年金生活者支援給付金を受け取るには、いくつかの条件を満たす必要があります。次章では、どのような方が対象となるのかを確認してみましょう。