ここ何年も続いている猫ブームをきっかけに、「猫カフェ」という言葉が定着してきました。最近では猫だけにとどまらず、犬・ウサギ・フクロウなど「動物カフェ」という新たな枠組みの店も増えています。

こういった空間は、ストレスフルな社会で人が癒しを求めるにはもってこいですが、実はあなたが知らないところで、つらい思いをしている動物がいるかもしれません。

ウイルス感染で猫50匹死亡

先日の報道では、猫カフェ最大手の店舗で、猫パルボウイルスにより累計50匹もの猫が亡くなってしまったといいます。この病気はワクチンさえ打っていれば、かかることはないとされていますが、ワクチン接種を怠っていたようです。

また、これだけでなく、猫ちゃんたちの「労働環境」にも問題があったと言われています。10時間休憩なしで客の相手をし、さらにカフェ内では大音量でライブが行われることもあるようです。

これに対して、ネット上では、

「猫も過労死する時代」
「猫に罪はないのに……。なんで自分の事しか考えられないの?」
「次々と猫が死んでいくことに何も感じなかったのか」
「明らかに虐待じゃねーかこれ」

と非難が殺到しています。

痩せ細った柴犬

小さな柴犬を集めた「豆柴カフェ」でも、柴犬はつらい時間を過ごしているかもしれません。本来、柴犬は飼い主以外にはなつきにくい傾向があるとのことで、「ひっきりなしに知らない人から触られることを苦痛に感じているのではないか」と心配する人も一定数います。

ほかにも、「豆柴カフェの柴犬は餌をもらえていない」という意見もあります。かつて「まめしば」というキャラクターが流行ったことなどから、「豆柴」という犬種があると思っている人は非常に多いのですが、そういうわけではありません。比較的小柄な系統の柴犬を交配させている場合もあるものの、単に子犬を集めているだけだったり、餌の量を減らして柴犬の成長を抑制したりしている店もあるといわれているのです。これに関しては、

「豆柴カフェに行ってみたけど、痩せ細っていたし人間を怖がっているみたいで、ひたすらにかわいそうだった。餌をあげてないのかな……」

などという同情の意見がありました。

一方で、柴犬の飼育経験があるという人からは、「私も柴犬を飼っていたけど、小さい頃はちゃんと餌を与えていたけどガリガリだったよ」との見方もあり、必ずしも餌を減らしているからとは言い切れない部分もあるのが難しいところです。

日本だけでなく海外でも……

こうした動物カフェをめぐる問題は、お隣の韓国でも起きています。ハンギョレ新聞の報道によると、環境保護政党である緑色党(緑の党)が2017年に報告した資料では、

・草食動物であるワラビーが人工飼料ばかりを食べていたため、糸がほつれた座布団をむしって草を食べるような行動が観察された
・寒い地方に住む北極キツネと銀キツネを飼育するカフェは、これらをエアコンのない外部に放置したりしていた

といった異常な事態が起こっていたとのことです。

動物も人間も同じ命

このように、人間が自分たちの癒し、あるいは利益のために、動物に苦痛を強いているケースというのは、少なからずあるようです。

もちろん実際のところ、われわれが何をしようが、動物カフェでつらい思いをしている動物を直接救うことは難しいかもしれません。ですが、少なくとも「おかしな動物の扱い方をしているお店には行かない」というのは、いますぐできることではないでしょうか。

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