子育てを楽しむ、という呪縛にとらわれている人は、「24時間365日、毎日ハッピーでいなければならない」という風に思ってしまいがち。はっきりいって、それは無理ですよね。なんでも0か100かじゃないといけないというワケではありません。
毎日イライラしながら子育てしてても、その中の一瞬、ふっと気持ちが温かくなる、顔がほころぶ、そんな瞬間があればいいんじゃないか、と思うんです。
「子育てを楽しもう!」と提唱している人だって、子どもが朝起きてから夜寝るまで、ず~っと「楽しい! 嬉しい! 幸せ!」って思ってるわけじゃないと思います。そんな人いたら超人です。絶対にイラッとする瞬間は毎日あるはずです。
でも、そんな人たちはそのイライラを上手にリセットする術を持っているだけ。そして、「トータルで見たら今日も幸せだった」と思える思考回路を持っているだけ。それだけなんだと思いますよ。そして、そのふたつを持っていれば子育てはグンと楽になるけれど、必ずしも必要なわけではないと思います。
だって、イライラするのも、ガミガミいうのも当然。子どもなんて自己中心的でワガママなんですから。それに、イライラするのも、口うるさく言ってしまうのも、我が子だからこそ。
たとえば、よその子が「朝ご飯食べたくない」なんて言ってもイライラしませんよね? 他人の子どもがその家のテーブルを汚そうが、おもちゃを散らかそうが、「あらあら、大変ね」でおしまいですよね? だってよその子ですから。
我が子には責任がある、愛情がある、そして、これからもずっと共に生きていかなければならないから、何かしらの対策をとらなければ、と思う。だからこそ、毎日思い通りにならないことやうまくいかないことにイライラしたり、怒鳴りたくなったり、自己嫌悪に陥ったりするのだと思うんです。
言葉に振り回されないで
あまりにも「子どもと自分が幸せに」「子育てを楽しもう」という言葉ばかりを意識してしまうと、「もしかしたら、子育てを楽しめない、今が幸せだと思わない自分は子どもを愛していないのではないか?」という気持ちになってしまうこともあるので気をつけて。
毎日自分に正直に、そして淡々と日々のことを行うくらいの気持ちで大丈夫だと思いますよ。子育ては長~いんです。自分のペースでいきましょう。
大中 千景