20代で結婚すれば本当に幸せ?「20代のうちに結婚する方法」特集が話題に

11月7日に発売されたファッション雑誌「S Cawaii!」の2018年11月号。表紙に写る、今年7月に第一子を出産したぺこさんと、その夫のりゅうちぇるさんの、はじける笑顔が印象的です。そして、その表紙に大きく書かれているのは「20代のうちに結婚する方法」という文字。「彼氏が欲しい」「結婚したい」という20代女性の結婚願望を後押しする特集で、すでに多くの反響があるようです。

同紙でこのような特集が組まれるのは、晩婚化が進んでいるにも関わらず、今でも「早く結婚したい」と考える若い独身女性が一定数いるからでしょう。実際に、筆者のまわりにも、口癖のように「あ~、早く結婚して幸せになりたい」と言う独身女性は少なくありません。

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しかし、本当に20代のうちに結婚すれば手放しで幸せになれるでしょうか。筆者は20代半ばで結婚しましたが、そこにはさまざまなハードルや困難があるように感じています。筆者自身と、同じく20代半ばで結婚した知人女性の話を例に、女性が20代で結婚することについて考えてみたいと思います。

若い方が出産、子育てがスムーズにいかない場合も

女性が結婚して次に考えるのは、妊娠や出産のこと。20代で結婚すれば、必ず若いうちに子供を産み育てられるかと言えば、そんなことはありません。

たとえば25歳で妊娠したいと思った時、大学を卒業して新卒で就職したとしてもまだ3年目という浅いキャリア。20代のうちに妊娠できても産休と育休の取得がスムーズにいくかと言われると、日本の現状ではまだまだ厳しい側面があると感じます。仮に結婚や妊娠を機に退職したとなると、専業主婦を経て育児が落ち着いたタイミングで正社員になることも容易ではありません。

体力的な面や妊娠のしやすさといった点では、出産は早いに越したことはないでしょう。そして本来はどんな年齢や状況で結婚して子どもができても、産休や育休が取得しやすいサポート体制でなければいけません。

ただ現状の日本では、子育てとキャリアの点で見ると、社会的にある程度のポジションに就ける30代以降の方が自分の思い通りの選択をしやすいという側面もありそうです。

価値観が変わりやすいからこそ、結婚相手の見極めが難しい

筆者の地元にいる知人女性は、高校時代から付き合っている同級生とお互いが20歳の時に結婚しました。結婚して8年経った彼女は、時々「今の年齢で夫と出会ったら、絶対に結婚しない」と冗談交じりで言います。しかし、これはあながち冗談だけで片付けられないように思います。

社会に出て働き、様々な人生経験を積んでいくにつれて、自分自身の恋愛観や人生観もどんどん変化していくのが20代。20代で結婚するということは、自分自身の価値観が発展途上な状態で生涯の伴侶を決めてしまうということでもあるでしょう。

20代で結婚するということは、30代に入って自分自身のことを深く理解し、恋愛観や人生観が定まった後になってから、夫よりも素敵な人に出会ってしまう可能性も少なくないかもしれません。

どこまでもついてまわる「もっと自由を謳歌しておけばよかった」

筆者は現在20代後半で0歳の子どもを育てながら仕事をしていますが、時々、高校や大学の同級生が長期休暇を利用して海外旅行に行っている様子をSNS等で見ると、純粋に「うらやましい」と感じてしまう時があります。これは別に年齢に関係なく、きっと何歳になっても、筆者がただ他人をうらやましく思ってしまうだけなのかもしれません。

しかし、結婚前にそれなりに遊びや旅行は楽しんできたつもりでしたが、“若くて独身”という身軽で体力があり、自由に時間を使える状況がもう二度と帰ってこないこと、そして自分はまだまだその状況を享受できる年齢であることを考えると、ふと、育児に疲れた時に「もっともっと自由を謳歌しておけばよかったかな」と思うこともあるのです。

おわりに

結婚は人生のゴールではなく、人生のスタート。年齢に関係なく、「一生を添い遂げたい」と思う人と出会えた時が何よりの婚期です。

メディアや周囲の声を聞いて「20代のうちに結婚をしなければ!」と焦って婚活に励むことよりも、自分はなぜ結婚がしたいのか、相手と一生を添い遂げる覚悟があるのか、子どもはいつ頃欲しいのか、仕事とのバランスはどうするのかなど、自分自身の人生や相手への思いについて考えてみることが、大切ではないでしょうか。

秋山 悠紀

参考記事

秋山 悠紀

早稲田大学文化構想学部出身。女子高でサッカー部、フリーター、演劇活動、編集プロダクションなどを経て独立。
子育てへの不安から1年半の保育園勤務の後、第一子を出産。
現在、長男を育てながら女性の生き方、子育て、ジェンダー、社会、旅、ドラマ、映画について執筆中。