3. 月額15万円を受給するための年収
会社員など厚生年金加入者の平均受給額は月額で約15万円です。
老齢基礎年金が満額の約7万円と仮定すると、老齢厚生年金が約8万円で月額15万円の年金を受給できます。
前述の老齢厚生年金の計算方法に、受給額の年額96万円(=8万円×12ヶ月)を代入すると次の通りです。
- 96万円=平均標準報酬額×5.481/1000✕厚生年金の加入月数
上記計算式より、96万円の老齢厚生年金を受給するための平均標準報酬額と年収は、厚生年金の加入月数別に次の通りです。
平均年収は平均標準報酬額に12ヶ月を掛けて計算します。
- 加入期間540ヶ月(45年):平均標準報酬額約32万円・平均年収約389万円
- 加入期間480ヶ月(40年):平均標準報酬額約36万円・平均年収約438万円
- 加入期間420ヶ月(35年):平均標準報酬額約42万円・平均年収約500万円
- 加入期間360ヶ月(30年):平均標準報酬額約49万円・平均年収約584万円
- 加入期間300ヶ月(25年):平均標準報酬額約58万円・平均年収約701万円
- 加入期間240ヶ月(20年):平均標準報酬額約73万円・平均年収約876万円
厚生年金に40年加入した人は、平均年収約438万以上で平均以上の年金を受給できることになります。加入期間が短くなると、月額15万円以上の年金を受給するための平均年収が高くなります。
年収は目安であり、また厚生年金加入中の平均年収であることに注意しましょう。現在は高年収でも、あまり年収の高くない入社初期を含めて平均年収を計算します。
また、平均標準報酬額を計算するときの標準報酬月額と標準賞与額には上限がある点にも注意が必要です。
標準報酬月額は65万円、1回あたりの標準賞与額は150万円が上限です。月収65万円、賞与150万円を大幅に超える人は、上記の平均年収が当てはまらない可能性があります。
4. まとめにかえて
直近の厚生年金受給権者の平均受給額は、月額約15万円です。
厚生年金に40年加入した人は、平均年収約438万以上で月額15万円以上の年金を受給できます。ただし、年金額の計算基礎となる平均標準報酬額を計算するのは難しいため、ねんきん定期便やねんきんネットなどで確認しましょう。
厚生年金の加入期間が長いほど、また加入中の平均年収が高いほど、将来受け取る年金額は多くなります。
年収を上げるのは難しいケースもあるため、老後対策の1つとして定年後もできるだけ長く仕事を続けることを検討してみましょう。
参考資料
西岡 秀泰