6月・7月は夏のボーナスシーズン。
まとまった収入が入るこの時期に、ボーナスの全額、あるいは一部をどのように使うか、検討している方も多いのではないでしょうか。
物価が上がり続ける中で、資産をそのままにしておくことは、お金の価値が少しずつ目減りしていくのを黙って見ているようなものです。低金利の預貯金に預けたままでは、インフレに追いつけず、実質的な資産の減少につながる恐れがあります。
そんな時代に注目されているのが「資産運用」です。中でも、少額から始められて税金がお得になるNISAは、私たちの資産形成を力強くサポートしてくれる心強い制度として、2014年の制度創設以来、利用者が増え続けています。
本記事では、NISAを活用して「毎月3万円」積立投資した場合、10年後・20年後・30年後に、資産が一体どれくらい増えている可能性があるのかをシミュレーションしてみます。
1. NISA「口座数・買付額」は年々上昇《推移グラフ》
NISAは2014年にスタートし、10年後の2024年には制度が刷新され、「新NISA」として新たに生まれ変わりました。
NISAを活用して投資信託や株式などで資産運用を行うと、運用益や分配金・配当金にかかる税金が非課税となります。こうした非課税のメリットにより、効率的に資産を増やせる可能性があるため、NISA口座の利用者は年々増加傾向にあります。
2025年5月8日、金融庁が公表した「NISA口座の利用状況調査」の結果より、NISA制度スタート時からのNISA口座数・買付額の推移グラフを見てみましょう。
2014年1月、NISA制度がスタートした月の口座数は492万口座。同12月末には825万口座と2倍近くまで増やしています。しかし、これ以降は上昇傾向が続くものの微増。
口座数・買付額を大きく伸ばしたのは「新NISA」スタート以降です。制度の恒久化、非課税枠の拡大など、長期的な資産形成により適した制度に改正されたことにより、利用者と買付額が増えました。
この頃、円安・株高が進行し「貯蓄から投資へ」の流れが加速したことも、NISA口座の利用者と買付額が増えた要因の1つと考えられます。
着々と口座数・買付額を伸ばしているNISA。10年後、20年後、30年後…に訪れる老後に向けた資産形成でNISA口座を活用する人は少なくありません。
では、NISAのつみたて投資枠で「毎月3万円」を積み立てた場合、資産はどれくらい増えるのでしょうか。シミュレーションしてみます。