6. 「年金生活者支援給付金」はいつからはじまった?

年金生活者支援給付金が創設されたのは、実は比較的最近のことです。

初めて支給されたのは2019年10月からで、消費税率が10%に引き上げられたタイミングに合わせて、低所得の年金受給者の生活を支援するために導入されました。

制度創設時の試算では、

  • 老齢年金生活者支援給付金の対象者は約610万人
  • 補足的老齢年金生活者支援給付金の対象者は約160万人
  • 障害年金生活者支援給付金と遺族年金生活者支援給付金の対象者は合わせて約200万人

と見込まれていました。

毎月の年金に上乗せされることで、日々の生活費や医療費などの足しになる「年金生活者支援給付金」。多くの低所得の年金受給者にとって、生活を支える上で重要な役割を果たしています。

消費税率引き上げという社会的な変化に対応し、特に経済的に厳しい状況にある年金受給者の生活を支援するために創設された、比較的新しい制度なのです。

7. まとめにかえて

ここまで年金生活者支援給付金について詳しく見てきました。

物価高が続く昨今。新米の季節もはじまりますが、新米の価格も高い水準となっています。

あらゆるモノの値上げが続く中、今回のような制度はとても助かるものになっていますので、要件を確認したうえで申請を忘れないようにする必要があります。

また、年金生活者支援給付金のみで生活するのは難しい場合もありますので、現役世代の方は今のうちから老後の資産形成について考える必要があるでしょう。

今回のように年金制度の仕組みを理解したり、将来の年金見込み額についても確認したりするほかに、日ごろからコツコツと貯蓄をすることは大切です。

また、iDeCoや新NISAのような国が用意している税制優遇制度もあります。資産運用の場合はリスクがありますが、老後に備える選択肢の一つになるでしょう。

まずは自分自身で詳しく調べてみてはいかがでしょうか。

参考資料

筒井 亮鳳