内閣府が2025年6月に公表した「主要経済指標」「月例経済報告」によると、日本の消費者物価は2014年~2025年にかけて大きく上昇していることがわかりました。
具体的には、2025年4月の消費者物価(生鮮食品及びエネルギーを除く総合)を前年と比べると、連鎖基準は2.8%、固定基準は3.0%上昇しています。
内閣府によると、消費者物価(生鮮食品及びエネルギーを除く総合)の先行きは、当面上昇していくことが見込まれているそうです。
このまま物価の上昇が続くのであれば、今の現役世代の方は老後資金をしっかりと準備しておく必要があるでしょう。
本記事では【3000万円以上の貯蓄】を達成している70歳代の割合をご紹介します。
老後資金の準備について考える際の参考にしていただけるよう、「平均貯蓄額」と「中央値」もお伝えします。
1. 【3000万円以上の貯蓄】達成している70歳代の二人以上世帯の割合は?
物価の上昇が続いているため、今の生活で精一杯というご家庭もあるかもしれません。
いずれ迎える老後に向けて「老後資金の準備」を少しずつでも進めていくことが大切です。
老後必要な資金は、ライフスタイルや生活水準などによって各ご家庭ごとに異なるでしょう。
2025年度の国民年金や厚生年金は、2024年度と比べ1.9%増額されましたが、物価の上昇に追い付いていないため、公的年金のみで老後生活を過ごすには厳しい状況にあることが考えられます。
70歳代の二人以上世帯の方は、どれくらいの貯蓄があるのでしょうか。
1.1 「70歳代の二人以上世帯」貯蓄額の平均値と中央値
- 平均値:1923万円
- 中央値:800万円
※日常的な出し入れ・引落しに備えている普通預金残高は、貯蓄額に含まれていません。
J-FLEC 金融経済教育推進機構が公表した「家計の金融行動に関する世論調査(2024年)」によると、70歳代の二人以上世帯で、3000万円以上の貯蓄がある割合は「全体の19.0%」です。※「金融資産を保有していない世帯」を含めたデータです。
つまり、70歳代の二人以上世帯のうち「約5世帯に1世帯」が3000万円以上の貯蓄があることになります。
なお、貯蓄ゼロの世帯も含めた、70歳代の二人以上世帯の平均貯蓄額は1923万円です。
貯蓄額の中央値に関しては、800万円となっています。
貯蓄が多い世帯とそうでない世帯で二極化しており、貯蓄ゼロの世帯の割合は20.8%です。
貯蓄が多くない世帯は、公的年金などに頼って生活していくことが考えられます。
では、公的年金は2カ月に1度の偶数月に支給されますが、「厚生年金と国民年金」の平均月額はどれくらいでしょうか。