2025年6月13日(金)は公的年金の支給日です。
厚生労働省の資料によると、老齢年金の平均月額は、国民年金が5万7584円、厚生年金(国民年金を含む)が14万6429円でした(2023年度末現在)。
年金額は個人差があるものですが、現シニア世代の人たちは、どのような年金生活を送っているのでしょうか。
本記事で、シニア世代の暮らしぶりをお金に関するデータから考察していきます。
1. 【老後の貯蓄事情】70歳代・二人以上世帯の「貯蓄額」の平均はいくら?
金融経済教育推進機構(J-FREC)が公表する「家計の金融行動に関する世論調査(2024年)」を参考に、70歳代・二人以上世帯の貯蓄(金融資産を保有していない世帯を含む)がどのくらいかを見ていきましょう。
※貯蓄額には、日常的な出し入れ・引落しに備えている普通預金残高は含まれません。
1.1 【70歳代・二人以上世帯】平均貯蓄額・中央値はいくら?
70歳代・二人以上世帯の平均貯蓄額は1923万円ですが、この金額は特に高額な貯蓄を持つ一部の世帯によって平均が引き上げられていると考えられます。
実態に近い指標として中央値を見ると、貯蓄額は800万円にまで下がります。
平均と中央値の差は、世帯ごとに貯蓄額に大きな差が存在していることを示しています。
この点をさらに裏付けるために、貯蓄額ごとの世帯数の割合を見てみると、実際にどのような分布になっているのかがわかります。
- 金融資産非保有:20.8%
- 100万円未満:5.4%
- 100~200万円未満:4.9%
- 200~300万円未満:3.4%
- 300~400万円未満:3.7%
- 400~500万円未満:2.3%
- 500~700万円未満:4.9%
- 700~1000万円未満:6.4%
- 1000~1500万円未満:10.2%
- 1500~2000万円未満:6.6%
- 2000~3000万円未満:8.9%
- 3000万円以上:19.0%
- 無回答:3.5%
上記のデータによると、3000万円以上の貯蓄を持つ世帯は全体の19.0%を占める一方で、「貯蓄ゼロ世帯」として金融資産を持たない世帯も20.8%に達しています。
70歳代の世帯における貯蓄状況は、定年退職金や相続、健康状態、さらには世帯構成といったさまざまな要因によって左右され、結果として世帯ごとの差が顕著に現れます。
貯蓄が少ない世帯では、年金生活を支えるために勤労収入や不労所得を確保することが重要になりそうです。
次に、厚生労働省の一次資料を基に、現在のシニア世代がどの程度年金(厚生年金・国民年金)を受け取っているかを見ていきます。