6月13日は、年金が振り込まれる日です。
「老後は年金収入で生活をする」と考えている人でも、具体的にどのくらいの年金がもらえるのか、果たしてそれで生活が成り立つのかを把握していない方が多いのではないでしょうか。
内閣府の調査によると、60歳以上の約30%が「無理なく1ヶ月生活するためには少なくとも30万円が必要」と答えています。
では、この30万円以上を年金として受け取れている人はどのくらいいるのでしょうか。
この記事では、現在の年金受給額の実態と、月額30万円以上を受け取れている人の割合について見ていきます。
また、年金額がどのように決定されるのかの考え方も解説します。ぜひ、今後の参考にしてください。
1. 厚生年金受給額の実態
まずはじめに、厚生年金の受給者の内で、年間360万円(月額30万円)以上受給をしている人の割合を見ていきます。
厚生労働省による統計である「厚生年金保険・国民年金事業統計年報」の最新データによると、厚生年金保険の年金月額階級ごとの受給権者数は男女合計で以下のようになっています。
- 5万円未満:1.9%
- 5万円以上10万円未満:19.3%
- 10万円以上15万円未満:31.2%
- 15万円以上20万円未満:31.3%
- 20万円以上25万円未満:14.6%
- 25万円以上30万円未満:1.6%
- 30万円以上:0.1%(約1万4000人)
1.1 30万円以上の年金を受給している割合
上記の統計によれば、月額30万円以上、すなわち年額360万円以上の年金を受給している人はわずか0.1%に過ぎず、人数にして約1万4000人となっています。
年金受給権者全体のうち、月額30万円以上を受給しているのは100人に1人にも満たない割合であり、ごくわずかであることがわかります。
2. 国民年金と厚生年金の平均受給月額
次に、最新データから国民年金(老齢基礎年金)と厚生年金(老齢厚生年金)の平均年金受給月額を確認していきます。
日本年金機構の統計によれば、最新の2024年11月時点で、国民年金受給者の平均受給月額は5万8296円、厚生年金受給者の平均受給月額は15万1125円となっています。
厚生年金受給者の多くは月額15万円前後を受給しており、「月額30万円」という金額は、平均額から見ても非常に高額な受給であることがわかります。
3. 厚生年金受給額の決定方法
ここからは、厚生年金額がどのように決定するかを簡単に解説していきます。
3.1 厚生年金(老齢厚生年金)受給額
厚生年金の受給額は、受給者が社会保険に加入していた「加入期間」と「報酬月額相当額」によって計算されます。
個人事業主など社会保険に加入をしない働き方をしていた場合には、厚生年金を受給することはできません。
加入期間と報酬月額相当額によって、以下のように受給額の差が生じます。
【加入期間】
厚生年金受給額は加入期間に応じて金額が変わるため、社会保険の加入期間が長いほど受け取ることができる厚生年金の金額も大きくなります。
【報酬月額相当額】
月額の報酬額と、年間の賞与額によって決定するのが「報酬月額相当額」です。厚生年金は報酬月額相当額と比例して受給額も上がるため、社会保険加入時の給与や賞与が高いほど、将来受け取ることができる年金額が高くなります。
4. 充実した老後生活を送るための3ステップ
60歳代の約30%が「無理のない生活を送るために必要」と考える月額30万円の収入は、年金収入だけでは達成が非常に困難であることがわかりました。
では、充実した老後生活を送るためには、どのような経済的準備が必要でしょうか。
3つの方法について、簡単に解説をしていきます。
4.1 生活費を見直す
月々の支出を見直すことで、収入に見合った生活設計が実現できる可能性があります。
具体的には、無駄な光熱費の節約や、外食より自炊を増やすようにすることなどが考えられます。
小さな工夫を積み重ねることで、年金生活に移行した際にも収支のバランスを保ちながら生活しやすくなります。
4.2 老後までの貯蓄を増やす
現役時代の生活水準を年金生活でも維持するためには、老後までにしっかりと貯蓄を作る必要があります。
貯蓄を作っておくことで、老後の収入の減少をカバーしながら生活することができます。老後に必要となる金額を予測して目標となる貯蓄額を決定し、長期的に貯蓄を進めていくことで、無理なく老後資金を作ることができます。
4.3 年金受給額を増やす
老後の収入を増やすために、年金受給額を増やす手段もあります。具体的には、社会保険加入中の報酬を増やす、加入期間を延ばす、または年金受給開始を遅らせるなどの方法があります。
5. まとめにかえて
今回の記事では、現在の年金受給額の現状を分析し、特に月額30万円以上を受給している人の割合が非常に少ないことを確認しました。
ゆとりある老後を送るために月額30万円以上の収入を確保することは、多くの年金受給者にとって非常にハードルの高い目標です。
充実した老後生活を実現するためには、「生活費の見直しによる支出の適正化・現役時代からの計画的な貯蓄・年金受給額を増やすための工夫」などの経済的準備が必要になります。
老後の経済生活を考える上で、まずは自身の将来の年金受給額を正確に把握し、それを踏まえた現実的な生活設計を立てていきましょう。


