1. 日経平均は7日続伸し3万6000円台を維持
2025年5月2日の東京株式市場で、日経平均株価の終値は前日比378円39銭高の3万6830円69銭となりました。7日続伸です。7日続伸は2023年8月28日~9月6日の8日続伸以来、1年8カ月ぶりです。前日の米株式市場で主要3指数がそろって上昇したことから、日本株も買われました。関税政策などを巡って、米中の協議が進み、米中貿易摩擦が緩和に向かうとの期待感から投資家の間にリスクテイクの動きが広がりました。
2日の米株式市場でダウ工業株30種平均は9日続伸し4万1317ドル43セントと、4月2日以来の高値で終えています。9連騰は2023年12月以来、約1年4カ月ぶりです。当日には、S&P500種株価指数も9日続伸しています。9連騰は2004年11月以来、およそ20年半ぶりです。
今週、日経平均はどのような動きになるでしょうか。先週は日米ともに株高となりましたが、今後の米関税政策に対して、まだ楽観できる状況ではないようです。特に中国との関税交渉では不透明感があり、合意には時間がかかりそうです。
トランプ米大統領は4日、外国で制作した映画に100%の関税をかける方針を示しました。デジタル配信なども進んでいる中、どのように関税をかけるのかは不明ですが、保護主義的な施策を場当たり的に打ち出していることが投資家心理を悪化させています。
6~7日には米連邦公開市場委員会(FOMC)が開かれます。市場では政策金利の据え置きとの見方が優勢です。注目されるのは、会合後、米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長が記者会見で何を語るかです。パウエル氏が利下げに前向きな発言をすれば、市場にとっては追い風ですが、ドルが売られ、円高・ドル安となります。気になるのは、週初から為替相場が円高・ドル安傾向になっていることです。自動車や機械など輸出関連銘柄にとっては下値圧力になります。いずれにしても、FOMCの開催を控えて様子見傾向になるかもしれません。
今週は国内主要企業の決算発表が相次いで行われます。7日には日本たばこ産業、メルカリ。8日にはダイキン工業、トヨタ自動車、任天堂。9日にはNTT、日本製鉄、三井不動産、リクルートHDなどが決算を発表します。