4.2 【2025年度】年金は1.9%の増額改定!支給は6月13日から

2025年(4月分以降)の公的年金額は、前年度と比べ1.9%引き上げられます。

ただし、年金額は物価上昇には追い付いていません。

具体的には、「マクロ経済スライド(※)」が発動され、物価上昇率を下回る改定率となったため、3年連続のプラス改定であっても実質目減りしてる状況です。

※マクロ経済スライドとは:「公的年金被保険者(年金保険料を払う現役世代の数)の変動」と「平均余命の伸び」に基づいて設定される「スライド調整率」を用いて、その分を賃金と物価の変動がプラスとなる場合に改定率から控除するしくみ

5. まとめ

今回は「65歳以上の無職二人以上世帯」の家計事情について見ていきました。

総務省の調査によると、ひと月の収入は25万2818円、支出は28万6877円で、毎月3万4058円の赤字となっています。

なかには、ひと月約3万円の赤字を貯金で補てんする世帯もあるでしょう。

しかし、仮にひと月3万円の赤字生活が30年間続くとすると、最低でも1080万円は必要になります。

普通に生活を送るためだけに、それだけのお金が必要なのかと不安を感じた方も多いのではないでしょうか。

しかし、老後は生活するためだけのお金を用意しておけば大丈夫というわけではありません。

状況によっては、介護や住宅の修繕などにかかるお金の準備も必要です。

どのような介護サービスや住宅の修繕を望むかにもよりますが、およそ数百万円から1000万円単位のまとまったお金が必要となる可能性も考えらえます。

総務省の調査によると、2023年の65歳以上の無職夫婦世帯の平均貯蓄額は2504万円です。

その半分近くが「ただ生活を送るためだけ」に消えていき、残ったお金で介護などの万一に備えなければならないとなると少し心もとない気にもなります。

しかし、ここであげた平均貯蓄額や介護などにかかる費用は、あくまで平均値や一般的な話です。

それぞれ家庭の状況や理想とする老後のライフプランに応じて、準備しておくべき老後資金が異なります。

まずは、自分の理想とする老後のライフプランを立てて、準備すべき老後資金を算出し、老後資金の準備をスタートさせましょう。

参考資料

鶴田 綾