厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、厚生年金保険(第1号)の平均年金月額は男女全体で14万6429円、これを男性に限ると16万6606円です。

私たちが老後に受け取る年金は、現役時代の年金加入状況により個人差が出ます。とくに厚生年金は、加入期間の長さとその期間の収入が年金額に影響するため、男女差も顕著です。

では女性のみの平均月額はいくらなのでしょうか。また、男女全体の平均を上回る「月額15万円超」を受給する女性の割合はどのくらいでしょうか。

今回は、年金のしくみの基本をおさらいしたあと、いまのシニア世代の「女性の年金月額」に関するデータを紹介します。

1. 公的年金のしくみをおさらい!

年金のしくみの基本を確認しておきましょう。

日本の公的年金制度は「国民年金」と「厚生年金」から成り立つ2階建て構造です。

国民年金(基礎年金)は、原則として日本国内に住むすべての20歳から60歳の人を加入対象としています。

国民年金保険料は全員一律(※1)で、40年間の全期間納付すると、65歳以降で「満額」(※2)を受給できます。未納期間については、その月数に応じて満額から差し引かれます。

一方、厚生年金は、サラリーマン(会社員や公務員など)や、一定の条件で働くパート・アルバイトの人が国民年金に上乗せして加入する年金です。

報酬(給与・賞与)に応じた保険料を事業所と折半で納付し、老後の年金額は、年金加入期間と納付済保険料により計算されます。

そのため、勤務先にそもそも厚生年金の制度があるのか、どれだけの期間勤務しているか、毎月の標準報酬月額はいくらか、などが老後の年金額に大きく響くしくみです。

※2025年度の月額
※1:国民年金保険料:1万7510円
※2:国民年金の満額:6万9308円

次では、厚生労働省の資料をもとに女性の年金受給額データを見ていきます。