2. 最新の「シニアの就業状況」を確認

昨今は高齢者の雇用促進に積極的な企業が増え、また60歳以上になっても元気な方が増えている背景などもあり、60歳以上の就業率は上昇傾向です。

また、長寿化に伴い老後生活が長期化する中で、年金だけでは生活が厳しいという実情もあるでしょう。近年の物価上昇や社会保障制度への不安から、経済的な余裕を確保するために、就労を選択するシニアが増えています。

内閣府の資料によると、2023年における労働力人口比率(人口に占める労働力人口の割合)は、以下のとおりでした。

  • 60~64際:81.1%
  • 65~69歳:53.5%
  • 70~74歳:34.5%
  • 75歳以上:11.5%

現行法において、企業には就業を希望する従業員に対して、65歳までの雇用確保義務措置が課されています。そのため、60~64歳の方は81.1%という高い数値になっている状況です。

70歳までの雇用確保措置は努力義務となっているものの、今後義務化される可能性があります。実際に義務化されれば、「65~69歳」で働く方の割合も7~8割近くになるかもしれません。

労働力人口比率の推移

労働力人口比率の推移

出所:内閣府「令和6年版高齢社会白書(全体版)」

一般的に、高齢になると就職が難しくなります。しかし、日本の人口動態を考えると、人手不足で悩む企業は今後も増えると考えられます。正社員ではなく、パートやアルバイトなど選択肢を広げれば、働けるチャンスは広がるでしょう。

これまでの経験や知識、専門性などを武器に、高齢者の採用に理解がある企業に対してアピールするとよいでしょう。

仕事を通じて適度に身体や頭を使うと、体力や認知機能の維持に役立つという側面もあります。仕事を続けることで健康維持によい影響が出れば、医療費や介護費を削減できるメリットも期待できるでしょう。