3. 【教育費】大学生の長子がいる家庭では年間教育費平均127.3万円

文部科学省では、しっかりとした進路への意識や進学意欲があれば、家庭の経済状況に関わらず、大学、短期大学、高等専門学校、専門学校に進学できるチャンスを確保できるよう、令和2年4月から高等教育の修学支援新制度を実施しています。

しかしながら、大学など、大学等の高等教育への公費負担の引き上げを求める声は高止まりの状況です。

そんな中、労働者福祉中央協議会(中央労福協)が2024年10月に公表した「高等教育費や奨学金負担に関するアンケート」の結果についてご紹介します。

調査対象は、日本全体の年齢構成を反映した3000人。特に奨学金利用経験者や、大学生を持つ世帯に重点を置いています。

この調査結果によると、子どものいる人の年間教育費の中央値は28.3万円。長子が大学生の場合の年間教育費は中央値127.3万円となりました。

4. 【教育費】奨学金の利用率は31.2%、貸与型奨学金利用者の借入総額は平均344.9万円

同調査において、奨学金制度の利用状況をみると、「奨学金を利用していた」と答えた人の割合は31.2%。大学卒の利用率は45.2%でした。

また、奨学金利用者のうち、日本学生支援機構(JASSO)の貸与型奨学金利用者の奨学金借入総額は、平均値344.9万円(中央値312.1万円)となりました。

これは中央労福協が行った過去の同調査調査と比べても、平均・中央値ともに最も高い数字です。

こういった経済的な負担を少しでも軽減するため、近年は返済不要の「給付型」奨学金が、公的なものや民間、企業問わずかなり充実してきています。

経済的な理由で進学を断念することがないように、「給付型」の奨学金を積極的に検討してみてはいかがでしょうか。

参考資料

長島 迪子