退職後に訪れる老後生活は、それまでの会社員生活とは打って変わり、一日の過ごし方やお金の使い方などが大きく変わります。とくに毎月の収入は、2カ月に一度受け取る「年金」となり、その額が少ないと感じる方もいらっしゃるかもしれません。
生命保険文化センターの調査によると、じつに約82%の方が「老後生活に不安を感じる」と回答しており、不安の内容に関しては、「公的年金が不十分」であることを挙げています。年金額が少ないために、老後の生活を心配している方が多いことがわかります。
そこで今回は、60歳代、70歳代のひと月の生活費、貯蓄額や年金額について確認し、いまどきシニアのお金事情についてお伝えしていきます。
1. 60歳代と70歳代、ひと月にいくらお金を使っている?
最初に、60歳代や70歳代が、ひと月にいくらお金を使っているのか確認してみましょう。
総務省統計局が発表した「家計調査報告 家計収支編 2024年(令和6年)平均結果の概要」より、世帯主が60歳代と70歳代世帯(2人以上世帯)の消費支出額を見てみます。
ひと月の消費支出額は、60歳代では31万1392円、70歳代では25万2781円となっています。平均は30万243円なので、60歳代に関しては平均よりも支出が多いことがわかります。
60歳代には勤労世帯も含まれているため、平均額が上昇している可能性があります。ちなみに、退職している方が多く含まれる65歳以上の世帯に限ると、平均額は26万5898円になります。