6月は夏の支出を見据えて家計の見直しを考える方が増える時期です。特にシニア世帯にとっては年金支給月でもあるため、これを機に家計の見直しを図る方もいるでしょう。
本記事では、65歳以上の無職夫婦世帯の月々の家計収支や貯蓄状況について詳しく解説します。
記事後半では現代シニアの国民年金と厚生年金の平均受給額も一覧表で紹介しますので、今後の資金計画に役立てていただければ幸いです。
1. 65歳以上の無職夫婦世帯の「ひと月の支出・収入」はいくら？
総務省統計局「家計調査報告 家計収支編 2024年(令和6年)平均結果の概要」を参考に、65歳以上無職夫婦世帯のひと月の家計収支を見てみましょう。
毎月の実収入：25万2818円
■うち社会保障給付（主に年金）22万5182円
毎月の支出：28万6877円
■うち消費支出：25万6521円
- 食料：7万6352円
- 住居：1万6432円
- 光熱・水道：2万1919円
- 家具・家事用品：1万2265円
- 被服及び履物：5590円
- 保健医療：1万8383円
- 交通・通信：2万7768円
- 教育：0円
- 教養娯楽：2万5377円
- その他の消費支出：5万2433円
- 諸雑費：2万2125円
- 交際費：2万3888円
- 仕送り金：1040円
■うち非消費支出：3万356円
- 直接税：1万1162円
- 社会保険料：1万9171円
毎月の家計収支
- 3万4058円の赤字
この世帯では、1カ月あたりの支出総額が28万6877円となっています。
その内訳を見ると、税金や社会保険料などの「非消費支出」が3万356円、日々の暮らしに必要な「消費支出」は25万6521円でした。
これに対し、1カ月の収入は25万2818円で、そのうち約9割にあたる22万5182円が公的年金などの社会保障給付です。
結果として月々3万4058円の赤字が生じており、貯蓄を取り崩すなどして補填する必要があると考えられます。
なお、今回の支出データには「介護関連費用」が含まれておらず、住居費も1万円台と抑えられたケースです。
そのため、世帯によってはこれ以上の負担が発生することも十分想定されます。
こうした状況下で注目すべきは、老後世代の貯蓄の実態です。
次に65歳以上の世帯がどれほどの金融資産を保有しているのか、そのデータを確認していきます。
