低所得な年金受給者に対して支払われる「上乗せ」として、年金生活者支援給付金という制度があります。年金受給額に毎月一定額の上乗せがされますが、この金額は毎年年金支給額の改定と合わせて見直しが行われます。

2025年度も、4月分から改定が決定し、4月・5月分の年金の振込みが行われる6月支給分から、年金生活者支援給付金が2.7%増額されることになりました。

年金生活者には年金以外の収入がない方も多いため、年金生活者支援給付金は、低所得な年金受給者の生活を支えるための重要な制度となっています。

今回は、この年金生活者支援給付金について「誰がもらえるのか」「いくらもらえるのか」を説明した上で、申請方法の解説をしていきます。ぜひ参考にしてください。

1. 年金生活者支援給付金の概要

年金生活者支援給付金は、老齢・障害・遺族それぞれの基礎年金を受給している人が、年金等の収入や所得の合計額が一定以下である場合に、経済的支援を図るために支給されるものです。

種類は以下の3種類あり、受給権を持っている基礎年金の種類によって受給できるものが異なります。

  • 老齢年金生活者支援給付金
  • 障害年金生活者支援給付金
  • 遺族年金生活者支援給付金

※老齢年金の場合のみ、給付金を受け取っている人が受け取っていない人の年金額を上回ることがないよう、「補足的老齢年金生活者支援給付金」という制度により調整が行われます。

年金生活者支援給付金は、年金受給者全てに支給されるわけではありません。一定要件を満たしている人のみが支給対象となります。