老後資金について考える際、つい「貯蓄方法」ばかりに目がいきがちではないでしょうか。

もちろん老後資金を貯めるにはその方法や金額、金融商品などでどう貯蓄するかを考えることが大切です。

一方で、同じように情報収集をして理解を深めるとよいのが「公的年金制度」です。

毎月年金保険料は支払うものの、「制度を詳しく知らない」「年金制度についてじっくり考えたことがない」という人は多いと思います。

ただ老後の収入の柱の一つとなるのが年金制度ですから、早くから理解を深め、老後も考えた加入方法なども検討してみるといいでしょう。

特にリタイアする方が多い70歳以降は、公的年金が重要となります。

今回は70歳代の単身世帯に視点をあてて、そのお金事情を紐解きます。

1. 70歳代でひとり暮らし世帯「貯蓄ゼロ」の割合は?平均貯蓄額&中央値はいくらか

老後資金で重視される「貯蓄額」。

金融経済教育推進機構の公表している「家計の金融行動に関する世論調査 2024年」を参考に、70歳代のひとり世帯の貯蓄額について見ていきましょう。

70歳代のひとり世帯で、貯蓄ゼロの割合は全体の27.0%でした。

ちなみに、金融資産保有額ごとの割合は、以下のとおりです。

1.1 【70歳代の貯蓄額】金融資産保有額ごとの割合

  • 金融資産非保有:27.0%
  • 100万円未満:5.1%
  • 100~200万円未満:5.7%
  • 200~300万円未満:4.9%
  • 300~400万円未満:3.9%
  • 400~500万円未満:2.2%
  • 500~700万円未満:7.3%
  • 700~1000万円未満:5.9%
  • 1000~1500万円未満:8.9%
  • 1500~2000万円未満:4.7%
  • 2000~3000万円未満:6.1%
  • 3000万円以上:15.9%
  • 無回答:2.4%

また、平均値は1634万円、中央値は475万円でした。

中央値と平均値の差が大きいので、貯蓄がある人とない人の差が大きいのではないかと考えられます。

老後に向けてまとまった貯蓄を用意するのは簡単ではありません。