2025年6月13日、年金制度改正法が成立しました。働くシニアへの影響が大きいのが「在職老齢年金制度の見直し」でしょう。
「60歳以降、何歳まで、どのような働き方をするか」「年金はいつから受け取り始めるか」「やりたかったことは何歳でやるか」など、老後の暮らし方に悩まれる方は多いでしょう。
在職老齢年金制度が見直されることで働くシニアの方は働きやすくなりますが、昨今の物価高ではいつリタイアするかも悩みどころです。
今回は平均的な年金受給額を一覧表で確認した後、2026年度から見直される在職老齢年金についても詳しく見ていきましょう。
1. 公的年金の仕組み
公的年金のしくみを復習しましょう。
1.1 「国民年金＋厚生年金」の2階建て構造
公的年金制度は「2階建て構造」と表現されます。これは、1階部分にあたる「国民年金」と2階部分にあたる「厚生年金」から成り立つためです。
国民年金の加入対象は、原則として、国内在住の20歳以上60歳未満の全ての人。年金保険料（※1）は全員一律です。一方、厚生年金は会社員や公務員などが国民年金に上乗せして加入し、収入に応じた年金保険料（※2）を納めます。
国民年金は、年金保険料を全期間（480月）納付すると、65歳で満額（※3）を受給できます。未納期間に応じて満額から差し引かれるルールです。
※1 国民年金保険料：2025年度は月額1万7510円
※2 保険料額は標準報酬月額（上限65万円）、標準賞与額（上限150万円）に保険料率をかけて計算される
※3 国民年金の満額：2025年度は月額6万9308円
