3. 年金支給日に約46万円支給される「標準的な夫婦」とは?

日本年金機構の資料によると、夫婦の年金額の例に関して、以下のような根拠が示されています。

男性の平均的な収入(平均標準報酬(賞与含む月額換算)45万5000円)で40年間就業した場合に受け取り始める年金(老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金(満額))の給付水準

つまり、夫は40年間にわたって、平均標準報酬(賞与を含む月額換算)が45万5000円であり、妻は専業主婦や扶養内パートで、厚生年金に加入せず、国民年金のみを受給するケースです。

このような夫婦の合計年金額は、月額23万2784円となり、年金支給日に約46万円が支給されることになります。

ただし、ここでの金額は「夫婦2人分」であり、さらに約46万円は「2カ月分」の合計額であることに留意が必要です。

また、実際に受け取る年金額には、各種税金や社会保険料が差し引かれる場合が多い点も重要です。

振込額の詳細は、毎年6月に送付される「年金振込通知書」などで確認できます。

年金から天引きされる税や社会保険料が記載される「年金振込通知書」

年金から天引きされる税や社保が記載される「年金振込通知書」

出所:日本年金機構「年金振込通知書」

 

1回の年金支給で「約46万円」と聞くと、かなりの金額に感じられるかもしれません。

しかし、これを一人当たりの月額に換算すると、必ずしも生活に余裕を持てる水準だとは言えないかもしれません。

次に、現在のシニア世代が実際に受け取っている年金額について、さらに詳しく見ていきましょう。

4. シニアは「厚生年金と国民年金」を平均でいくら受給してる?

厚生労働省「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」を参考に、全受給権者(60歳~90歳以上)の平均年金月額や個人差を見ていきましょう。

公的年金の平均額(全年齢)

厚生年金の平均額(全年齢)

出所:厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとにLIMO編集部作成

4.1 「厚生年金」の平均年金月額はいくら?

  • 〈全体〉平均年金月額:14万6429円
  • 〈男性〉平均年金月額:16万6606円
  • 〈女性〉平均年金月額:10万7200円

※国民年金部分を含む

厚生年金の平均月額は全体で14万6429円、男性は16万6606円、女性は10万7200円となっています。

4.2 「国民年金(老齢基礎年金)」の平均年金月額はいくら?

  • 〈全体〉平均年金月額:5万7584円
  • 〈男性〉平均年金月額:5万9965円
  • 〈女性〉平均年金月額:5万5777円

平均年金月額は、厚生年金(国民年金部分を含む)の受給権者で、男性は16万円台、女性は10万円台となっています。

一方、国民年金を受給している場合、男女ともに平均月額は5万円台です。

年金支給の「1世帯あたりの年金額」を見ると、高額に感じられるかもしれませんが、一人当たりの月額に換算すると、年金だけで生活するのは難しいと感じる世帯が多いかもしれません。

また、グラフに見られる個人差からもわかるように、上記の数字はあくまで全体の平均月額であることに注意が必要です。

夫婦の年金額については、「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」を活用し、実際の受給額を正確に把握しておくことが重要です。