仕事と育児を両立するには、いざというとき親を頼れる環境であれば心強いですよね。しかし世の共働き家庭のみなさんも、親が近くにいる人たちばかりではありません。両親や義両親が近距離に住んでいたとしても、まったく協力が望めないことも。

そこで、夫婦の力(ときにママのワンオペ)で仕事と育児を両立させてきた、働くママたちの葛藤やそこから抜け出したエピソードを聞いてみました。

物理的負担を軽減!

仕事が終わって家に帰り、急いで夕ご飯の支度。子どものお風呂と寝かしつけをこなし、翌日の保育園の荷物を準備して洗濯物をたたんで…と、働くママは休む時間がなかなか取れません。実際、あまりの忙しさに一時は追い詰められていたというママもいました。

「保育園に入れるために、1歳になる前から仕事復帰することに。早くから子どもと離れたことに、最初は罪悪感もありました。平日は仕事、土日は子どもとベッタリで、自分の時間は当然ありません。次第に追い詰められていき、子どもにキツく当たってしまうことも。

そんな自分にまた自己嫌悪に陥り、『私ってなんのために働いてるんだろう? でも働かないと子どもにも満足な暮らしを与えられないし…でも私がイライラするなら、生活がラクでも子どもは苦しい?』ってグルグル悩んで、何度も夜ひっそり泣きました。親が近くに住む友人はご飯もたまに作ってもらっていて、本当にうらやましかったですよ」

こちらのママは、家電の買い替えが苦しさを抜けるきっかけになったそうです。

「家にいるときはなるべく娘と触れ合いたいし、夜はしっかり寝たい。そこで、家事を徹底的に時短しようと思いました。食洗機とお掃除ロボットを導入してフル活用、洗濯物も外に干すことにこだわらず洗濯機に乾燥までお任せ。作り置きは苦手なので、電気圧力鍋で朝ごはんは寝ている間に自動調理。

すべて自分でこなしていた頃に比べて、家事に割く時間がグッと減りました。初期費用はかかりましたが、これなら親のサポートがなくてもなんとかなりそう!と自信も持てるように。寝る時間をある程度確保できると、自然と前向きに考えられるようになったのが不思議です」

すべてを自分でやらなければ!と頑張りすぎず、機械であっても頼れるものは徹底的に使ってみるといいかもしれませんね。

精神的負担を軽減!

働くママは、仕事をすること自体に罪悪感を抱くことも多いもの。発想の転換や職場の選び方で、気持ちが軽くなったママのエピソードをご紹介します。

「以前は、私が働くことに対して夫が否定的でした。でも私の性格的に、家にいるとノイローゼになりそうで…なんとか仕事をはじめましたが、自分のエゴで子どもに寂しい思いをさせているのかな?と悩んだことはあります」

こちらのママは、メリットに目を向けることでモヤモヤを解消したそうです。

「運よく託児所つきの職場が近くにあったので、思い切って応募!『息子のすぐそばで働くのなら』と、子どもが病気のときは仕事を休んで看病することを条件に夫も認めてくれました。託児所は、異年齢のお友だちといっしょに過ごせる環境。兄弟がいない息子にはちょうどよかったと、ポジティブに考えることで罪悪感も解消できました。託児所に預けはじめたことで、逆に第2子へのプレッシャーが消えた気がします」

託児所つきの職場が見つかったということで、こちらは比較的ラッキーなケースかもしれません。しかし頼れる場所を探そうと積極的に行動すれば、親以外にも助けてくれる人や場所が見つかることもあるでしょう。また、子どもを預けることに罪悪感ばかり抱かず、メリットに目を向けることでママの気持ちが軽くなることもあります。要は、気の持ちよう。

ほかにも、こんなママの声もありました。

「独身者が多いと子どもが病気のときも休みづらいので、出産前に働いていた会社を辞めてママが多い職場を探しました。お互い様って感じなので、普段からきちんとコミュニケーションしていればトラブルにはなりません。前の職場なら、嫌味のオンパレードで気持ちが病んでいたと思います」

親が近くにいて協力的であれば、子どもが病気のときに「どうしても休めないから今日だけ見てくれない?」とお願いできるかもしれません。しかし、離れて暮らしているとそれも難しいもの。理解のある職場を選ぶことも、余計なストレスを減らす対策のひとつになりそうです。

考え方次第で手抜きできるところは増える

働くことすら自由に選択できなかったり、どこか後ろめたい気持ちを抱えながら出勤していたり、モヤモヤしながら仕事と育児をこなしているママもたくさんいるでしょう。

親を頼れない状況は大変なことも多いですが、ママがひとりで背負い込む必要はありません。「そうは言っても家電を買う余裕もないし託児所つきの職場なんてないし無理」とできない理由を探すのではなく、手を抜けるところを探してみてくださいね。

桜井 まどか