アメリカの関税措置や物価高の影響により、日本では一律での給付金を検討しているともいわれています。今年は予算の策定時に減税が実現されなかったことから、国民からはさまざまな意見が噴出している状況です。給付は現段階で未定のため、今後の情報を待つ必要があります。
年金世帯には、毎回の年金とあわせて給付されているお金「年金生活者支援給付金」があります。対象となる世帯にだけ支給される貴重な給付です。給付を受けるためには、申請が必要です。年金生活者支援給付金は、どのように申請して給付を受けるのでしょうか。
この記事では、年金生活者支援給付金のひとつである「老齢年金生活者支援給付金」の申請の仕方や概要について解説します。
1. 年金生活者支援給付金とは?
年金生活者支援給付金とは、年金受給者で所得が少なく、生活に苦しむ人に対して支給されるお金です。以下の3種類の給付が存在します。
- 老齢年金生活者支援給付金
- 障害年金生活者支援給付金
- 遺族年金生活者支援給付金
給付金の財源は消費税です。消費税は、社会保障財源に充当することとなっています。年金生活者支援給付金は2019年の消費税引き上げ分を活用し、低所得の年金受給者の生活を支援するために設立されました。
そして、年金生活者支援給付金の給付額・給付基準額は、毎年の物価変動によって改定されています。2025年度は2.7%増の5450円です。改定された給付額は「年金生活者支援給付金 支給金額改定通知書」で給付対象者に通知されます。
次章では、年金生活者支援給付金のひとつである老齢年金生活者支援給付金の支給要件について解説します。
2. 老齢年金生活者支援給付金の支給要件
老齢年金生活者支援給付金の支給要件は、以下のとおりです。
- 65歳以上の老齢基礎年金の受給者である。
- 世帯全員が市町村民税非課税である。
- 前年の公的年金等の収入金額(※1)とその他の所得との合計額が昭和31年4月2日以後生まれの人は78万9300円以下、昭和31年4月1日以前生まれの人は78万7700円以下(※2)である。
※1障害年金・遺族年金などの非課税収入を除く。
※2昭和31年4月2日以後生まれで78万9300円超〜88万9300円以下である人や昭和31年4月1日以前生まれで78万7700円超〜88万7700円以下である人には、「補足的老齢年金生活者支援給付金」が支給される。
給付金を受け取るには、老齢基礎年金を受給していて、所得が一定額以下でなければなりません。老齢基礎年金を受け取るには、国民年金保険料を最低10年は納めている必要があります。
また、世帯の全員が住民税非課税であることも要件です。世帯の誰かに一定の所得があり、住民税が課税されている場合は給付金の対象外です。
なお、もし以下の要件に当てはまっていても、次の事由に該当する場合は給付金が受け取れません。
- 日本国内に住所がないとき
- 年金が全額支給停止のとき
- 刑事施設等に拘禁されているとき
上記に当てはまる場合は別途届出が必要なため、年金事務所か給付金専用ダイヤル「0570-05-4092」に問い合わせましょう。
次章では、老齢年金生活者支援給付金の給付額を解説します。