4月15日は年金支給日です。所得が少ない年金受給者に向けた「老齢年金生活者支援給付金」という制度をご存じでしょうか?老齢基礎年金に上乗せして支給されるもので、最大月額およそ5000円が受け取れます。1回きりの給付金とは異なり、条件を満たせば継続的に受け取ることができるので毎月の生活費を支える心強い支援となります。

「どんな人がもらえるの?」「いくらもらえるの?」「申請方法は?」 老齢年金生活者支援給付金の気になる疑問にお答えします。

1. 老齢年金生活者支援給付金とは

老齢年金生活者支援給付金は、経済的に厳しい状況にある高齢者の生活を支援するために、老齢基礎年金に上乗せして支給される給付金です。

消費税10%の引き上げに合わせて、所得が一定基準を下回る公的年金受給者へ2019年10月から支給されています。

2. 【老齢年金生活者支援給付金】どんな人がもらえるの?

次の要件にすべて当てはまる人が受給できます。

<対象者の要件>
(1) 65歳以上の老齢基礎年金の受給者
(2) 同一世帯の全員が市町村民税(住民税)非課税
(3) 「前年の公的年金等の収入金額」と「その他の所得(給与所得など)」との合計額が次の基準額以下の人

・69歳以下(1956年4月2日以降生まれ):78万9300円
・70歳以上(1956年4月1日以前生まれ):78万7700円

なお、(3)の所得要件を超えている場合でも、次の基準額以下であれば、「補足的老齢年金生活者支援給付金」が受給できます。

・69歳以下(1956年4月2日以降生まれ): 88万9300円
・70歳以上(1956年4月1日以前生まれ): 88万7700円

「補足的老齢年金生活者支援給付金」とは、基準額を少し超えたことで受給できない人とギリギリで受給できた人との受給額の逆転現象を解消するために、所得基準額を超える一定の人が受給できる給付金です。給付額は、所得の増加に応じて減る仕組みとなっています。

3. 【老齢年金生活者支援給付金】いくらもらえるの?

年金生活者支援給付金の給付基準額は、物価の変動に応じて、毎年度改定を行う仕組みとなっています。2025年度は2024年度から2.7%の増額改定となり、月額5450円が基準額となりました。

基準額5450円は40年間保険料を納付した人の給付金額です。実際は保険料納付済期間、保険料免除期間に応じて算出されます。

<給付金額の計算式>
(1)と(2)を合計したものが給付金額となります。

(1) 保険料納付済期間に基づく額(月額) = 5450円 × 保険料納付済期間 / 被保険者月数480月
(2) 保険料免除期間に基づく額(月額) = 1万1551円※× 保険料免除期間/ 被保険者月数480月

※1956年4月2日以後生まれの人の場合。生年月日と免除の種類で金額が異なります。

たとえば、保険料納付済期間が360月で保険料全額免除期間が120月の人の場合は、次のように計算します。

(1) 5450円×360/480 = 4088
(2) 1万1551円×120/480 = 2888

(1)+(2)= 6976円

老齢基礎年金の月額に6976円が上乗せされます。

給付金額の例1/3

給付金額の例

出所:日本年金機構「年金生活者支援給付金」をもとに2025年度の年金額で算出

免除期間がある人の方が給付金額が多くなるのは、免除によって元々の老齢基礎年金額が少なくなっているためです。その差を補うために、給付金が増額されます。ただし、老齢基礎年金と給付金の合計額は、納付した期間が長い人の方が多くなります。

4. 【老齢年金生活者支援給付金】申請方法は?

年金生活者支援給付金を受け取るには、年金生活者支援給付金請求書の提出が必要です。

請求書提出の手続きは、現在、基礎年金を受給しているかどうかにより、手続きが異なります。なお、すでに年金生活者支援給付金を受給している人は、新たな手続きは不要です。

4.1 すでに老齢基礎年金を受給している人の手続き

日本年金機構は、1年ごとに市町村から所得情報を得て、要件に該当するかどうかを判定しています。前年より所得が下がったことなどにより、支給対象となった人には、日本年金機構から、毎年9月頃から順次、年金生活者支援給付金請求書(はがき型)が送られてきます。

この請求書(封筒に入っています)に必要事項を記入し、切手を貼った上でポストに投函することで年金生活者支援給付金の請求手続きが完了します。

年金生活者支援給付金請求書(はがき型)見本2/3

年金生活者支援給付金請求書(はがき型)見本

出所:日本年金機構「年金生活者支援給付金請求書(はがき型)が届いた方へ」

4.2 これから老齢基礎年金の受給を始める人の手続き

老齢年金を受給するためには、年金の請求手続きが必要です。(自動的に振り込まれるものではありません。)

年金請求書は受給開始年齢に到達する3か月前に日本年金機構から送られてきます。年金生活者支援給付金の支給対象となる人には、老齢基礎年金の請求書に、年金生活者支援給付金の請求書も同封されています。老齢基礎年金の請求手続きをする際に、あわせて年金生活者支援給付金の請求手続きも行ってください。

年金生活者支援給付金請求書(老齢基礎年金を新規に請求する方)見本3/3

年金生活者支援給付金請求書(老齢基礎年金を新規に請求する方)見本

出所:日本年金機構「老齢基礎年金を新規に請求する方の請求手続きの流れ」

5. 【老齢年金生活者支援給付金】いつ振り込まれるの?

年金生活者支援給付金の支給要件に該当した場合は、日本年金機構から「支給決定通知書」が送られてきます。支払い月の上旬には、振込通知書が到着します。原則、請求した月の翌月分から支払われます。

支払い月は年6回、偶数月の中旬に2か月分が年金と同じ受取口座に年金とは別に振り込まれます。(通帳には2つの振り込みが記載されます。)たとえば、4月分と5月分の年金生活者支援給付金は6月中旬に振り込まれます。

6. まとめ

年金生活者支援給付金は、年金やその他の所得が少ない年金受給者を支援するために年金に上乗せされて支給されます。給付金を受け取るには、年金生活者支援給付金請求書の提出が必要です。請求書が送られてきたら忘れずに請求しましょう。

昨今の物価高によって、年金生活はより厳しくなることが予想されます。日々の暮らしを守るために、受けられる制度はもれなく活用していきましょう。

参考資料