4. 2025年度の年金額は前年度より1.9%増えている!
公的年金の金額は、物価や現役世代の賃金を踏まえて年度ごとに見直しがおこなわれます。
2025年度の年金額は4月分から改定され、前年度より1.9%増えました。
公的年金は前月までの2カ月分が「後払い」で支給されます。次の年金は、「8月15日(金曜日)」に支給されます。
金融機関への振り込みで年金を受け取っている人には、6月に「年金振込通知書」が郵送されています。年金振込通知書の送付は、原則として年1回。振込額や振込口座に変更がなければ、その後の支給月には送付されません。
年金振込通知書は以下の内容が記載されています。なお、各支払期に天引き(特別徴収)される額は変更となる場合があります。
(1)年金支払額
1回に支払われる年金額(控除前)
(2)介護保険料額
年金から天引きされる介護保険料額
(3)後期高齢者医療保険料、国民健康保険料(税)
※特別徴収される場合に記載される
年金から天引きされる「後期高齢者医療保険料」または「国民健康保険料(税)」
(4)所得税額および復興特別所得税額
年金支払額から社会保険料(※1)と各種控除額(※2)を差し引いた後の額に5.105%の税率をかけた額
※1 社会保険料:社会保険料とは、特別徴収された介護保険料、後期高齢者医療保険料または国民健康保険料(税)の合計額
※2 各種控除額:扶養控除や障害者控除など
(5)個人住民税額および森林環境税額
年金から特別徴収(天引き)される個人住民税額および森林環境税額
(6)控除後振込額
年金支払額から社会保険料、所得税額および復興特別所得税額、個人住民税額および森林環境税額を差し引いた後の振込金額
(7)振込先
年金が振り込まれる金融機関の支店名(※営業所、出張所などを含む)
(8)前回支払額
令和3年10月から、年金振込通知書に前回の定期支払月に支払った金額
年金見込み額は「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」で確認できますが、年金は天引きされる税金や保険料があるため、「額面通りにはもらえない」点も心得ておきましょう。
5. まとめ
厚生年金の平均年金月額は男女全体で14万6429円、国民年金の平均年金月額は男女全体で5万7584円でした。国民年金を含む厚生年金で「月額20万円超」となるのは、全受給権者の16.3%であり、約8割以上の人は月20万円未満の年金となるというデータもありました。
物価上昇による年金額の増額があったとしても、実際の物価上昇率には追いついていないことを考えると、自分で老後資金の準備をしておく必要があります。年金だけで足りない生活資金は、現役時代の貯蓄や投資で補える方もいますが、老後のための貯蓄ができていなかったという方もいるのが現状です。
現在の日本は低金利のため、以前と違い預金に置いていてもお金が増えにくい状況です。物価上昇が起きると同じ金額で買えるものが減り、つまりお金の価値は目減りしていることになります。これらのインフレ対策のひとつとして、資産運用でお金を増やすことが挙げられます。毎月の積立や、ポイントで始められる運用などたくさんの種類があります。運用リスクは種類によって異なるため、自分に合わせた方法で資産形成を検討してみるのもよいでしょう。
まずは自分の年金見込み額を確認し、老後資金がどの程度必要なのか考えてみて、計画的に老後資金を準備していきましょう。
参考資料
菅原 美優