2018年10月22日に行われた、株式会社DDホールディングス2019年2月期第2四半期決算説明会の内容を書き起こしでお伝えします。IR資料
スピーカー:株式会社DDホールディングス 代表取締役社長 グループCEO 松村厚久 氏
株式会社DDホールディングス 取締役 海外統括 グループCCO 稲本健一 氏
株式会社DDホールディングス 取締役 営業統括 グループCOO 鹿中一志 氏
2019年2月期決算説明会
松村厚久氏:みなさま、こんにちは。松村厚久です。本日はご多用の中、当グループの決算説明会にお越しくださいまして、誠にありがとうございます。
周知のとおり、昨年(2017年)9月1日に株式会社ダイヤモンドダイニングは、持株会社体制へ移行し、商号を株式会社DDホールディングスに変更いたしました。
経営理念
「世界に誇る『オープンイノベーション企業』を目指す」。これは、DDホールディングスの経営理念です。
行動指針
「Dynamic&Dramatic ~大胆かつ劇的に行動する~」。これが、DDホールディングスの行動指針です。
グループ体制
この理念・行動指針に基づいた、現在のグループ・連結会社体制は、飲食・アミューズメント事業を中心に16社でございます。昨年(2017年)12月には、株式会社エスエルディーが持分法適用関連会社としてグループ入りしました。
国内・外 出店エリア
飲食・アミューズメント店舗の出店エリアは、現在、米国ハワイ州を含め、全国主要都市を中心に431店舗、ライセンス付き店舗を含めますと、445店舗になります。株式会社エスエルディーの53店舗を含めますと498店舗で、500店舗近いスケールとなります。
出店ブランドに関しましては、客単価2万円を超える「焼鶏 しの田」「土佐料理 桂浜」等の専門業態から、「chano-ma(チャノマ)」のような業態まで幅広くございます。
ブランドポートフォリオ
ブランドポートフォリオを明確化することにより、展開によるリスクを、地域全体で回避しています。物件取得に関しましても、商業施設からの出店オファーが尽きない、株式会社ゼットン・株式会社商業藝術。主要駅前優良物件取得の集う、株式会社ダイヤモンドダイニング・株式会社ゴールデンマジック。他社が手を出せない有利な条件で物件取得ができるバグースなど、今後も安定した物件取得・店舗展開が可能だと考えられます。
山手線沿線出店状況 -ドミナント戦略-
これらの多業態によるブランドポートフォリオならびに強い物件開発により、東京山手線沿線およびその内側に、249店舗を出店。エスエルディー社の31店舗を含めますと、280店舗の規模となります。ポテンシャルの高い旬のマーケットに、ドミナント展開が成功していると考えられます。
ここで、これらの店舗展開を牽引する事業会社を紹介させていただきます。
他グループ企業との大きな差別化として、「顔の見える経営陣」による経営戦略を、当グループの強みとしてアピールしていきます。
事業会社(国内)
まずはこの後、ゼットン社の第2四半期の決算説明を行う、「ALOHA TABLE」を擁する株式会社ゼットンの鈴木伸典。
続きまして、「わらやき屋」を擁する、株式会社ダイヤモンドダイニングの澤田泰一。
そして、多店舗チェーン展開している「九州熱中屋」を擁する、株式会社ゴールデンマジックの山本勇太。
好調なアミューズメント事業を牽引し、カプセルホテル「GLANSIT(グランジット)」も手がける、株式会社バグースの矢口健一。
人材不足であるサービス業の中で、応募が殺到する人気職であり、昨年(2017年)オープンの「京都祝言」が順調につき、本年(2018年)12月に大阪心斎橋で新しくウェディング施設の「NOVEL SHINSAIBASHI」を開業いたします、株式会社The Sailingの松本小次郎。
「chano-ma(チャノマ)」「茶茶」「小割烹おはし」など、デベロッパーに大人気のブランドを多数擁する業界のレジェンド、株式会社商業藝術の貞廣一鑑。
そして、新しくグループ入りしました「Kawara Cafe」を擁する、株式会社エスエルディーの伴直樹。
皆、クレバーでタフな経営者だと考えています。
DDホールディングス 取締役
そして、ホールディングスの役員は、この後で全事業の現況をご説明いたします、営業統括の鹿中一志、グループ全体の管理を統括する樋口康弘、海外事業について説明いたします、海外統括の稲本健一。そして、新たに取締役に就任した平野忍は、新規事業を担当いたします。
2019年2月期 第2四半期トピックス
続いて、当社グループの2019年2月期第2四半期のトピックスについて、ご説明いたします。
トピックスといたしましては、台風等による天災の影響により、(修正後)各段階利益の未達。
アミューズメント事業は順調に推移して、国内既存店昨対は99.4パーセントです。
株式会社ゼットンにおいては、中間期の業績予想を上方修正いたしました。
主なコラボレーション
主なコラボレーションをご説明させていただきます。
オープンイノベーションを理念として掲げる当社グループは、異業種・異分野とのコラボレーションを行っています。実績としましては、吉本興業株式会社の社員食堂「Munch Lunch(マンチ ランチ)」をプロデュースいたしました。また、吉本興業株式会社のグループ会社であります、株式会社KATSU-do配給の映画『熱狂宣言』のポップアップストアを、2018年10月19日にオープンいたしました。
2019年2月期第2四半期 連結業績
当社グループの連結業績でございます。
売上高は258億3,000万円、前連結会計年度比23.9パーセント増。営業利益は12億4,000万円、前連結会計年度比22.8パーセント減。経常利益は11億9,800万円、前連結会計年度比25.7パーセント減。親会社株主に帰属する四半期純利益は9億7,800万円、前連結会計年度比10.2パーセント減となります。
業績の推移といたしましては、私自身、不甲斐ない数字だと反省しています。まだまだ、我々の力はこんなものではありません。外食業界の人材育成におきましても、先ほど紹介した事業会社の社長である役員には、非常にポテンシャルの高い人材がおります。業務環境の整備や女性活躍推進も、積極的に行っています。
「鳥貴族」さんなどと違い、単一チェーン店で(展開している)店舗と企業名との不統一の部分に関しましては、私松村が自ら広告塔として舵を取ります。年間数十件の経営セミナー・イベントの開催。自社だけではなく、業界全体の底上げとなる行動をしております。
それにより構築したネットワークによって、物件紹介や新規事業の期待。また、グループ入りへの希望の声を、直接拾うこともできます。さらに、事業会社のよさをよりいっそう打ち出すために、PR・IRの強化を図っていきます。(我々は)このような個性豊かな面々を擁する企業体は、雛にも稀な存在だと思います。
光陰矢の如し。人材育成のスピードの速さと、ネットワークの広さ。この両方で、最速最短で、事業規模の拡大を目指していきます。ご清聴、本当にありがとうございました。
世界から見た外食マーケットの現況
稲本健一氏:改めまして、株式会社DDホールディングス取締役海外統括グループCCO、稲本でございます。本日はありがとうございます。「海外統括」でございますので、我々の考える海外戦略について、短い時間ですが私からご説明させていただきたいと思っています。
みなさまも重々ご承知のとおりだと思うのですが、まず、世界から見た外食マーケットの現状です。今までに例がないぐらい、和食・日本食、そして日本人が作る飲食に、世界から注目していただいている時代がきたと、改めて思っています。
アジア・オセアニア・EU・アメリカ圏・アフリカ圏・インド圏と、いろいろありますが、その中でも非常に出やすいものが、カントリーリスクです。中国のいろいろなリスクや、アジアでも相当いろいろなリスクが発生しております。その中で、やはり我々は安定して出店していく、これからもマーケットを広げていくという観点で、現状は「アメリカマーケットを狙っていこう」ということで、そちらに集中して出店をかけている現状でございます。
海外における店舗展開
その中で、我々の海外における店舗展開の特徴でございます。
わかりやすく、他社さまのお名前もお借りしていますが、「CASE1」としまして、トリドールさまが行っている丸亀製麺さんや牛角さんのような、日本で繁盛した店舗を海外に展開していく。
このパターンは、国内で既存ブランドをしっかり作り上げて、それを海外に向けて、メニューを少し変えていったり、サービスの仕方を変えていったりする。(ほかにも)今は、いきなりステーキさんも始めていらっしゃいます。このような海外の展開の仕方も、1つのケースとしてあると思います。
また、「CASE2」としまして、WDIさまやワンダーテーブルさまが行っているような、海外の既存ブランドをいったん日本で作り、そしてそれをまた海外で展開する権利を、ライセンス契約として作っていく。ウルフギャングさんのステーキハウスといったブランドも、海外ブランドを一度持ってきて日本で熟成させて、海外で展開するパターンでございます。
我々は今のところ、すべて「CASE3」をとっています。「当社グループ」と書いてございますが、すべて自社で開発した店舗です。これを、海外で自社展開します。この向こうには何があるかと言いますと、自社で展開した店舗を、もう一度日本国内に持ち帰ってくる。また、現状はハワイ州だけでやっていますが、こちらをメインランド・アメリカもしくはEU圏といった場所で、カナダも含めて展開していく。このような戦略を、今は作っている最中でございます。
海外での自社展開ブランド
我々は、自社ブランドをハワイで8店舗展開しています。ハワイアンからカフェ、そして和食・フレンチ・メキシカンなど、いろいろなスタイルのお店がございます。こちらはワイキキ、もしくはワイキキ周辺に集中させたドミナントで、マネジメントも強化しながら、人材の育成に努めています。
ただ、この中でも日本人だけで運営するというわけではございませんので、アメリカのローカルの方々をしっかりと採用して、展開していく。それが、今の我々の姿でございます。
新規ブランド
そして、今期に関わるものですが、新規出店したものが2店ございます。
実はこちらは、本来は2期前に株式会社ゼットンでオープンするはずのものでした。先ほど、「いくつかカントリーリスク(がある)」とお伝えしましたが、アメリカ圏……とくにハワイ州は、建築に対するリスクが非常に高くなっています。
これは、電気・水道といった基礎設備を整える。また、許認可・パーミットがゼロから、今回は「HISTORICAL APARTMENT」と書いてありますが、1939年に建てられた歴史的建造物を、レストランに変えていきました。
こちらは非常に価値のあるものだと思っていますが、これをやることによって、ハワイ州から約40近くの許認可が必要となりました。これをクリアすることが、我々の1つのノウハウとしては貯まっていくのですが、これが正直、非常に大変なものでした。そのことによって、オープンするまでに2年半かかりました。
しかし、上の「ZIGU(ジグ)」は和食、下の「PARIS HAWAII(パリ ハワイ)」はフレンチで、オープンしてまだ数ヶ月ですが、毎日満席をいただいています。こちらは、もうすぐ単月黒字化していくものです。
今まで我々の経験ですと、ハワイの店舗は1年もしくは1年半かかって、黒字化していきます。その後は、非常に長く黒字化していけます。立ち上がりは非常に時間がかかるものだったのですが、やはりこの建物の希少性と(いう、新しいものにチャレンジしていくこと)。そして、現状満席の店内も、ほとんどがハワイのローカルもしくはアメリカ・オーストラリアからの旅行者であふれている状況でございます。そのような新しいものにチャレンジしていくことによって、さらにアメリカでの新しいブランド構築をしていこうと考えています。
今後の海外展開
そして最後に、我々の今後の海外展開でございます。今までは8店舗(をハワイに展開しており)、会社が2つに分かれています。Diamond Dining International、そしてZETTON,INC.ということで、Diamond Dining・ZETTON双方の海外事業を、さらに強いものにしようということで私が開発を行っていますが、松村からも「今後は、スピードを意識しよう」と言われています。
今まで作ってきた、8店舗。そしてさらに、今はもう1店舗ブランドを開発していますが、このブランド開発の終了時に、おそらく来年(2019年)にはスタートできると思うのですが、海外にメインランド・アメリカのM&Aを中心に新しいブランドを作り、そして今までのブランドをしっかりとM&Aした会社さまの持っている店舗に展開していくことによって、早急に黒字化していく。
おそらく、現状の8店舗プラス1店舗で、来期は日本円で約20億円程度の売上になります。最終的には、2020年から2021年の間に海外の売上を40億円から50億円に持っていくことを1つの目標として、今は海外展開をしているところでございます。
私からの海外の取り組み(のご説明)は、以上になります。ありがとうございました。
2019年2⽉期 第2四半期トピックス
鹿中一志氏:みなさまこんにちは、営業統括の鹿中でございます。本日はお忙しいなかお集まりいただきまして、誠にありがとうございます。
先ほど、弊社代表の松村からお話がありましたが、私からは2019年2月期第2四半期の全体の数字について、もう少し深く踏み込んだお話をさせていただければと思います。
お手元の資料の、2ページをご覧ください。
まず、第2四半期時点での売上高は、過去最高を記録しております。ただ、営業利益に関しては減益というかたちになっております。
前期はM&Aによって取り込んだ2社の第1四半期分の売上を取り込んで売上が上がったのですが、天災によって営業利益がダウンしているかたちでございます。
また、アミューズメント事業においては、(2018年)7月はずっと好調に推移しており、7月に外部のサーバーダウンによって予約受付ができない状態が続きながらも、103.6パーセントでした。一見、アミューズメント事業は下がり気味に見えるかもしれませんが、そのようなことではなく、堅調に推移しているかたちでございます。
3つ目は書いてあるとおりですが、ゼットンの中間期業績予想を上方修正ということで、のちほど鈴木(伸典)社長から、細かくお話しいただければと思っています。
連結業績
連結業績でございます。
上期ベースの売上高は、258億円となりました。
経常利益におきましては、持分法適用関連会社であるエスエルディーの前期の第4四半期と当期の第1四半期の業績取り込み分で、持分法投資損失で1億600万円を計上して、11億9,800万円となりました。
また、親会社に帰属する四半期/当期純利益においては、投資有価証券の売却によって6億9,100万円、店舗撤退に係る和解金の2億1,500万円を追加し、20億3,300万円となりました。決算短信と併せて、ご覧いただければと思います。
セグメント別業績
こちらは、前期の第2四半期と今期の第2四半期を比較した資料でございます。
特筆すべき点としましては、前期の第2四半期の全社営業利益の8億9,600万円が、今期は6億4,400万円という数値になっております。
主要係数
主要な要因といたしまして、前期に立ち上げたウェディング事業が、予定どおりのものは取れているのですが、今期は今のところ約1億3,000万円ほどの赤字であること。酒税法改正等で既存重飲食・飲食事業の居酒屋部門、とくにダイヤモンドダイニング、ゴールデンマジックの原価率が1.6ポイントほど増加して、営業利益はこのような数値となっております。
売上⾼対前年増減要因
7ページをお願いいたします。売上高対前年増減要因でございます。
こちらに関しては先ほどお話ししたとおり、前期第2四半期より連結対象となった2社の売上高を加算したことによって、45億4,000万円が追加され、上増しになっております。
営業利益対前年増減要因
営業利益が対前年増減要因でございます。
先ほどの酒税法の(改正の)影響による原価やウェディング事業並びにカプセルホテル事業の立ち上がりも含めて、このような推移となっております。
連結B/S
連結B/Sは半期(の数値)となりますが、詳細は説明資料のとおりですのでご参照いただければ幸いです。
連結C/F サマリー
こちらは、連結C/Fのサマリーでございます。
こちらに関しましては、前期第2四半期に商業藝術のM&Aを実施するなど、積極的な投資により、投資活動によるキャッシュ・フローが減少となっておりましたが、当期においては、営業キャッシュ・フローの増加に加え、新規出店11店舗の出店を実施したことで、フリーキャッシュ・フローが大幅に改善しております。
今期においては、これらの借入の返済を進めたことにより、財務活動によるキャッシュ・フローが減少となっております。
国内全店
ここからは、既存店・全店ベースの売上高に関しまして、ご報告させていただければと思います。
国内の全店ベースに関しましては、(2018年)7月は天災等の影響により一時的に昨対は100パーセントを下回っておりますが、堅調に推移しておりまして、全店ベースでは前年超えをしております。8月も、回復基調にございます。
国内既存店
次は、国内の既存店でございます。
アミューズメント事業の貢献もありまして、100パーセント超えをしております。(2018年)7月はやはりマーケットも落としておりましたが、8月は回復基調となっております。
国内飲⾷既存店
次は、国内飲食既存店でございます。
第2四半期(の売上高)は96.5パーセントで、(2018年)8月は99.5パーセントということで回復基調にございますが、他社さんも含めてマーケット等の状況もありますし、いろいろと値上げ等もありながら、なかなか課題を抱えていると認識しております。今は細かく分析をして、対策を練っているかたちでございます。
全体的には、8月が99.5パーセントと回復基調であるのは、事実でございます。
国内アミューズメント既存店
次は、国内アミューズメント事業(の既存店)でございます。
引き続き堅調で、第2四半期は102.4パーセントと(なりました)。先ほどの(ご説明にございました)1週間のサーバーダウンを含めても、(2018年)8月は103.6パーセントという結果となり、堅調に推移しております。
計画店舗数推移
次に、新規出店の状況でございます。
今期の16店舗の出店計画に対して、すでに第2四半期までで11店舗を出店済みでございます。予算内の店舗も含めまして、今期は19店舗の出店を予定しております。また、5店舗を退店しておりますが、こちらに関しましては、定期借家契約の期間満了によるものです。
今期は、437店舗の着地を予定しております。
新規ブランド紹介
その次は、先ほどお話があった「NOVEL SHINSAIBASHI(ノヴェル シンサイバシ)」です。
大阪でウェディング施設の物件を取得しまして、リノベーションし、今は(その第1号店の)「京都祝言」で受注が非常に好調に進んでおりますので、そちらのノウハウを活かした新規出店を計画しております。
こちらは予算外であるためイニシャルコスト計上による当期P/Lへの影響がございますが、来期以降の収益に寄与するものと考えております。
出店ブランド紹介
出店ブランドのご紹介です。
既存ブランドと新規ブランドを含めて、このようなブランドを事業会社で検討して、あたためていくかたちをとっております。
DD POINTの状況
24ページをお願いいたします。「DD POINT」の状況をご説明させていただければと思います。
グループ入りした店舗で、「DD POINT」を随時導入していっております。まだ制限もありますが、持分法適用関連会社のエスエルディーでも使える状況になっております。
そのため全体感で言うと、「DD POINT」による売上貢献は上がっています。既存店ベースにおいても102~103パーセントぐらい進んでおりますので、全体的に、「DD POINT」は引き続き堅調となっております。
最後になりますが、引き続きスピードをもって、まずグループ入りした企業に関しましては、相乗効果を最大限発揮できるような環境をつくっていくとともに、今後に関しましては「DDグループでしか出せない価値」を創出できるような企業を目指して、全社一丸でやってまいります。
ご清聴ありがとうございました。