内閣府が2025年4月9日に発表した3月の「消費動向調査」において、消費者態度指数は前月から0.7ポイント低下し、2年ぶりの低い水準となったことがわかりました。
内訳は、「収入の増え方」が0.7 ポイント低下して38.8、「暮らし向き」が0.6 ポイント低下して30.9となりました。収入の増え方や暮らし向きは悪化すると捉えている人が多いことが分かります。
このような状況では、貯蓄に回せなくなると悩む人もいるのではないでしょうか。
実は、収入が多いことと貯蓄額には関係がないことがわかっています。平均年収200万円未満でも貯蓄額が500万円を超えるケースがある一方で、高収入層でも貯蓄が思うように進まない人がいるのが現実です。
今回は、元銀行員の筆者がこれまで多くの人と接する中で気づいた貯蓄上手な人と貯蓄下手な人の行動について、比較しながらご紹介していきます。
1. 貯蓄額は年収に比例するとは限らない
「貯蓄がたくさんある人」と「そうでない人」の違いというと、多くの人が収入の差を思い浮かべるかもしれません。
しかし、貯蓄額は必ずしも収入だけに左右されるわけではありません。
2024年9月に総務省統計局が発表した「家計調査年報(貯蓄・負債編)2023年(令和5年)」によると、二人以上の世帯のうち勤労者世帯の平均年収と貯蓄は以下の通りとなっています。