新NISAやiDeCoなど、非課税制度を活用した資産形成が話題となっていますが、新年度からは資産形成にチャレンジしてみたいと情報収集する人も少なくないのではないでしょうか。

資産形成の目的として、住宅購入資金やお子さんの教育資金などが考えられますが、多くの方が悩む資産形成は老後生活資金です。

現役世代にとっては老後生活がイメージできないことで、目標金額を設定できないことも悩みの要因ではないでしょうか。

国税庁が公表した「令和5年分民間給与実態統計調査」によると、給与所得者数5,076万人の平均給与は460万円となります。

今回は、生涯の平均年収460万円の方が、新卒入社で65歳まで働いた場合に受け取れる年金額について計算します。

今後の資産形成プランを検討する上で参考にしてください。

1. 【老齢年金】厚生年金(+国民年金)の年金額をシミュレーション

日本の公的年金制度は「1階:国民年金(基礎年金)」と「2階:厚生年金」による2階建て構造になっています。

現役時代に厚生年金に加入して働いていた人は、老後に国民年金(基礎年金)に加えて厚生年金を受給できます。

【写真全7枚1枚目】公的年金の仕組みとは? 2枚目以降で、厚生年金の計算式や【厚生年金】年金月額階級ごとの受給権者数を確認する

公的年金の仕組みとは?

出所:日本年金機構「公的年金制度の種類と加入する制度」

国民年金は、保険料納付済期間、厚生年金は給与や賞与などの報酬に応じて決まる保険料や年金加入期間により計算されます。詳しい計算式は、次章で解説します。

では、老後に公的年金(国民年金+厚生年金)をどのくらい受け取ることができるのか。以下のケースでシミュレーションしてみましょう。

  • 就職年齢:22歳0ヶ月
  • 退職年齢:60歳
  • 勤務年数:38年
  • 平均年収:460万円
  • 加入年月:2003年4月
  • 終了期間:2041年4月