3. 老後の生活費って月額いくら必要?
貯蓄額と年金額に関するデータを確認してきましたが、「老後に年金をいくら受給できるのか」そして「生活費はどのくらいか」により、老後に必要な貯蓄額が決定します。
ちなみに、65歳以上無職夫婦世帯の平均的な生活費は月額約25万円です(参照:総務省「家計調査報告」)。
ここに昨今そうであるように物価上昇などが加わると、支出は膨らんでしまいます。また年齢を重ねることにより、医療費や介護費用などの負担が加わる可能性も高くなります。
こうしたリスクも考慮したうえで、目標額を設定し、計画的に貯蓄を進めていくことが求められるでしょう。
4. 貯蓄を増やす効果的な3つの方法
効率的に貯蓄を増やすためには、自分の収入から貯蓄に回すお金をより多く捻出する必要があります。必要な支出を抑えつつ、よりお金を増やせる期待の高い金融商品に運用さることが重要です。
効果的に貯蓄をするためのポイントは、次の3つです。
- 先取り貯蓄
- 固定費の見直し
- 資産運用
効率的な貯蓄に必要な対策について、それぞれ解説します。
4.1 先取り貯蓄
効果的に貯蓄をするためには、まず収入から一定額を貯金に回す「先取り貯金」を実践してください。先取り貯蓄は、収入からあらかじめ決まった金額を貯金に回して、残った費用で生活をやり繰りする方法です。
先取り貯金ができれば、余ったお金で生活をやり繰りするので、生活費が抑えられます。先取り貯蓄は、手取りの25%を目安にしてください。
4.2 固定費の見直し
固定費の見直しも、貯蓄をするために重要です。節約するには、食費や光熱費をはじめといった変動費よりも「通信費」や「保険料」といった固定費を見直してください。
- 通信費:スマホ代やインターネット回線の見直し、サブスクの解約
- 保険料:不要な保険の見直し
固定費を削減するには、変動費と固定費の引き落とし先を分けると良いです。複数の銀行口座で、生活費を管理する口座と固定費を管理する口座に分けてください。より節約の意識が高まり、支出を抑えられるメリットがあります。
4.3 資産運用
先取り貯蓄や固定費の見直しで貯められたお金は、積極的に資産運用に回しましょう。効率よく資産運用をしたいなら、金利の高い金融商品へ投資をしてください。
どのような金融商品が良いかは、世帯環境やリスク許容度によって異なります。専門家に相談しながら、自分にあった金融商品を見つけてください。
参考資料
和田 直子