物価上昇の影響を受け、年金額に不安を感じる声も少なくありません。
3月28日に総務省が公表した「2020年基準 消費者物価指数 東京都区部 2025年(令和7年)3月分(中旬速報値)」によると、生鮮食品を除く総合指数は前年度比2.1%の上昇となり、依然として物価高騰が続いています。
一方で4月15日、国民年金と厚生年金の年金支給日を迎え、「標準夫婦」では約46万円が支給される世帯もあります。
一見すると大きな金額のように思えますが、この「標準夫婦」とはどのような世帯を指すのでしょうか。本記事では日本の年金制度の仕組みや、標準夫婦の定義について解説していきます。
1. 【厚生年金・国民年金】のしくみ
日本の公的年金のしくみをおさらいしましょう。
日本の公的年金は「2階建て構造」と表現されます。これは、1階部分にあたる「国民年金」と2階部分にあたる「厚生年金」から成り立つためです。
国民年金の加入対象は、原則として、国内在住の20歳以上60歳未満の全ての人。年金保険料(※1)は全員一律です。一方、厚生年金は会社員や公務員などが国民年金に上乗せして加入し、収入に応じた年金保険料(※2)を納めます。
国民年金は、年金保険料を全期間(480月)納付すると、65歳で満額(※3)を受給できます。未納期間に応じて満額から差し引かれるルールです。
そんな中「標準的な夫婦世帯」は4月15日の年金支給日に「約46万円」支給されることがわかっています。これはどのようなことでしょうか。次で詳しく見ていきましょう。
※1 国民年金保険料:2025年度は月額1万7510円
※2 保険料額は標準報酬月額(上限65万円)、標準賞与額(上限150万円)に保険料率をかけて計算される
※3 国民年金の満額:2025年度は月額6万9308円