毎年誕生月に送られてくる「ねんきん定期便」ですが、年齢によってその記載内容が異なることはご存じでしょうか。
50歳をすぎると、65歳時点で受け取れる年金の「見込額」が記載され、よりリアルに自分の年金受給額をイメージすることができます。
さて、このねんきん定期便に記載されている「見込額」ですが、残念ながらそのままの金額を受け取ることはできません。
年金から税金や社会保険料など全部で4つのお金が引かれた上で振り込まれるからです。
意外と見落とされがちな部分で、老後に受給する年金にも「額面」と「手取り」があることに驚く人は少なくありません。
今回はそんな年金から引かれる4つのお金について紹介していきます。
1. 日本の「公的年金制度(国民年金・厚生年金)」の概要や仕組みをおさらい
まず、日本の公的年金制度の基本的な構成を理解しておきましょう。
日本の公的年金は、「国民年金」と「厚生年金」の二つの主要な制度から成り立ち、段階的に組み立てられています。
1.1 【誰が受け取れる?】国民年金(老齢基礎年金)とは?
国民年金は、日本国内に住む20歳以上60歳未満の全ての人が原則として加入しなければならない年金制度です。
保険料は一律で、40年間にわたって保険料を納付することにより、老後に満額の年金を受け取ることが可能です。
しかし、未納期間や保険料免除期間がある場合、減額されることがありますので、その点に留意する必要があります。
1.2 【誰が受け取れる?】厚生年金(老齢厚生年金)とは?
厚生年金は、公務員や会社員などが対象となる年金制度で、国民年金に加えて支給されます。
保険料は収入に応じて異なり、給与から自動的に差し引かれます。
将来受け取る年金額は、加入期間や納付した保険料の総額をもとに決定されるため、個人によって異なります。
日本では全ての国民が年金制度に加入していますが、実際に受け取る年金額については関心が高い部分です。
次章では、受給額についてさらに詳細に説明します。