3. 標準的な夫婦が1度に受け取れる年金が「約46万円」になる理由と注意点
標準的な夫婦が1度に受け取れる年金が「約46万円」になる理由は、原則として偶数月の15日に2か月分がまとめて支給される点にあります。
月額で23万2784円のため、1回あたりの支給が46万5568円となるためです。
ただし、いくつか注意点があります。
3.1 注意点①あくまでもモデルケースに基づく試算である
厚生労働省が示す「標準的な夫婦のモデルケース」は、あくまでも1つのケースにおける試算結果です。
- 夫:会社員として40年間働き、生涯月収は平均45万5000円。国民年金も満額で支払い済み。
- 妻:専業主婦または扶養内パートで、厚生年金には加入せず、国民年金は満額支払い済み。
当然ながら個人によって年金額は異なることから、「誰もがこの金額が受け取れる」というわけではない点に注意が必要です。
3.2 注意点②2人分・2ヶ月分の金額である
1ヶ月あたり・1人あたりに換算すれば、数字の印象は変わるものです。
46万円と聞くと高額ですが、実際には現役時代の収入に比べるとかなり少ないことがわかります。
年金生活になると、1度の支給額で2ヶ月分やりくりする必要があるということも含め、計画性が求められます。
3.3 注意点③手取り額はもっと減る
さらに、年金は「税金」や「保険料」が差し引かれた状態で振り込まれるため、実際に振り込まれる金額は、額面よりも少なくなる点にも注意が必要です。
つまり、受給前に「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」で確認できる金額はあくまで額面の金額であるため、その金額がそのまま生活費として使えるわけではありません。
上記をふまえ、「現在の収入からどれくらい減少するのか」「額面の金額からいくら差し引かれるのか」などを考え、生活費の見直しや貯蓄の準備をしておくことをおすすめします。