3. 実際の平均年金受給額はいくら?

ここまで解説してきた年金受給額は、厚生労働省による概算です。では、現在の年金受給者はどのくらいの金額を受給しているのでしょうか。

厚生労働省年金局が公表した「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、厚生年金と国民年金の平均受給額は、それぞれ以下の通りです。

「厚生年金・国民年金」平均年金受給額

「厚生年金・国民年金」平均年金受給額

出所:厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」

厚生年金は全体で14万6429円で、男性が16万6606円、女性が10万7200円です。国民年金は全体が5万7584円で、男性が5万9965円、女性が5万5777円となっています。

厚生年金を見ると、女性よりも男性の方が約6万円高額になっています。厚生年金は、現役時代の年収や加入期間などにより受給額が決まり、年収が高いほど、また、加入期間が長いほど高額になるのが一般的です。

女性は男性と比較して年収が低く加入期間が短い傾向があるため、受給額も少なくなると考えられます。

一方、国民年金受給額は、保険料納付月数によってのみ決まります。40年間(480ヵ月)払い込めば満額支給されるため、男女間で大きな差が生じません。

4. まとめにかえて

現在のシニア世代が受給している年金の平均月額は、国民年金が5万7584円、厚生年金が14万6429円です。年金額は、年収や加入期間などの影響を受け一人ひとり異なりますが、ひとつの目安として参考になるでしょう。

現役世代の方は、自分たちが老後を迎える頃にはどのくらい受給できるのかが不透明なため、公的年金以外の方法でも老後資金を準備しておくことをおすすめします。

参考資料

木内 菜穂子