4. 社会保険に加入するメリット・デメリット
社会保険に加入するメリットは、さまざまな給付が受けられる点です。主な給付は以下のとおりです。
- 厚生年金
- 傷病手当金
- 出産手当金
- 失業給付(基本手当)
ケガや出産、退職後、老後生活といったさまざまなシーンで手厚い保障が受けられるのは、社会保険のメリットといえるでしょう。
一方、社会保険に加入した場合は「手取り減少」が大きなデメリットといえるでしょう。厚生年金保険料を例に見てみると、現在は収入106万円未満であれば厚生年金に加入する必要がありません。しかし、将来的に収入要件は撤廃される見通しとなっています。よって、多くの人が加入対象となり保険料を納めなければならない可能性があるのです。
手取りが少なくなると、私たちの家計や生活は苦しくなる一方です。社会保険料の負担が今後も増えれば、私たちの生活にはさらにネガティブな影響をおよぼすでしょう。
5. まとめ
4〜6月に残業すると、標準報酬月額が上がるため、9月からの手取り給料額が減ってしまいます。手取りの減少は私たちの消費活動に大きな影響をおよぼします。手厚い保障がメリットの社会保険ですが、負担が増え続ける状況は、早急な改善が求められるでしょう。
参考資料
- 日本年金機構「定時決定(算定基礎届)」
- 全国健康保険協会「令和6年3月(4月納付分)からの健康保険・厚生年金保険の保険料額表」
- 厚生労働省「令和6年度の雇用保険料率について~令和5年度と同率です~」
- 厚生労働省「被用者保険の適用拡大及び第3号被保険者制度を念頭に置いたいわゆる「年収の壁」への対応について②」
石上 ユウキ