4. 続く値上げ…老後はインフレリスクも考慮しておこう
4月に入り、値上げの波が家計にも影響する可能性があります。主に値上げされるものは、以下の通りです。
- 食品
- 電気代やガス代
- 鉄道運賃
1点目は食品です。帝国データバンクの調査によれば、4月に値上げされる食品は4225品目にのぼります。約1年半ぶりに4000品目を超えました。主に値上げするものは、みそやドレッシングなどの「調味料」で、2034品目が値上がりします。
次いで「酒類・飲料」が1222品目、ハムやソーセージなどの「加工食品」が659品目にのぼりました。原材料の調達コストが増加したことや、人件費の上昇などが理由になります。
2点目は電気代やガス代の値上げです。電力大手10社の電気料金は、政府の補助が縮小されたことにより4月から値上げとなります。また、ガス料金への補助も縮小されたため、4月請求分のガス代も値上がりする見通しです。
3点目は、鉄道運賃の値上げです。燃料の高騰や利用客の減少などが影響して、4月から鉄道運賃を値上げします。JR九州では、全体で平均15%の値上げ幅となる運賃改定を実施しました。また、JR北海道では平均7.6%値上げとなります。
食品や光熱費など、家計の負担が厳しくなる状況が続きます。
2025年度は公的年金の年金額引き上げが決定していますが、物価上昇の勢いが強く、年金増額を実感できないかもしれません。
こうした実態も踏まえ、老後に向けて資産を築いていけると良いでしょう。
参考資料
- 金融経済教育推進機構「家計の金融行動に関する世論調査 2024年」
- 厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 総務省「家計調査報告 家計収支編 2023年(令和5年)平均結果の概要」
和田 直子