2025年4月11日、日本銀行は「「生活意識に関するアンケート調査」(第101回<2025年3月調査>)の結果」を発表。前年と比べて景況感が「悪くなった」と回答した人は64.4%と、現在の景気に対してネガティブな印象を抱いている人が多いことがわかりました。
こうした状況下、現役世代の人たちは将来訪れる「老後の生活」にも目を向けなければいけません。なぜなら、老後の主な収入源となる公的年金は決して十分とはいえない状況にあり、少子化により将来の支給水準はさらに低下する見通しがあるからです。
本記事では老後対策の参考に、シニア世代の「貯蓄額・年金額・1カ月の生活費」をご紹介していきます。
1. 【70歳代・二人以上世帯】貯蓄額の平均と中央値はいくら?
金融経済教育推進機構「家計の金融行動に関する世論調査 2024年」によると、70歳代・二人以上世帯の平均貯蓄額は以下の通りです。
※なお、これから確認する金融資産保有額には、預貯金以外に株式や投資信託、生命保険なども含まれます。また、日常的な出し入れ・引落しに備えている普通預金残高は含まれません。
1.1 70歳代・二人以上世帯:貯蓄額の平均と中央値
- 平均:1923万円
- 中央値:800万円
※金融資産を保有していない世帯を含む
1.2 70歳代・二人以上世帯:貯蓄額一覧表
- 金融資産非保有:20.8%
- 100万円未満:5.4%
- 100~200万円未満:4.9%
- 200~300万円未満:3.4%
- 300~400万円未満:3.7%
- 400~500万円未満:2.3%
- 500~700万円未満:4.9%
- 700~1000万円未満:6.4%
- 1000~1500万円未満:10.2%
- 1500~2000万円未満:6.6%
- 2000~3000万円未満:8.9%
- 3000万円以上:19.0%
- 無回答:3.5%
※金融資産を保有していない世帯を含む
70歳代・二人以上世帯の貯蓄状況には、大きなばらつきが見られ、19.0%の世帯が3000万円以上の貯蓄を持っている一方で、20.8%の世帯は貯蓄が全くないと回答しています。
上記から、70歳代・二人以上世帯の貯蓄額の分布には二極化が進んでいることが確認できます。
また、平均貯蓄額は1923万円ですが、中央値は800万円と大きく異なっており、この差は、極端に貯蓄額が大きい層が平均値を引き上げているためであり、実態をより正確に反映している中央値にも注目することが重要です。
次に、厚生労働省の最新データに基づき、公的年金(厚生年金・国民年金)の受給額について確認していきます。