2. 年金額「1.9%」増えても実質目減り…

公的年金は賃金や物価を考慮して年度ごとに見直しがおこなわれます。2025年1月、厚生労働省は2025年度(令和7年度)の年金額を、前年度より1.9%引き上げることを公表しました。

3年連続のプラス改定にはなりましたが、「マクロ経済スライド(※)」によって物価上昇率を下回る改定率となっており、実質的には年金額は目減りしています。物価上昇に年金額が追い付けていないのです。

※マクロ経済スライドとは:「公的年金被保険者(年金保険料を払う現役世代の数)の変動」と「平均余命の伸び」に基づいて設定される「スライド調整率」を用いて、その分を賃金と物価の変動がプラスとなる場合に改定率から控除するしくみ

3. 2025年度「年金生活者支援給付金」も2.7%引き上げ!

年金生活者支援給付金は、公的年金と同様に毎年度、物価変動に応じて支給額の見直しが行われます。

2025年1月24日、厚生労働省は2025年度の「年金生活者支援給付金」の給付額を前年度から2.7%引き上げることを公表しました。

  • 老齢年金生活者支援給付金(月額):5450円(※基準額)
  • 障害年金生活者支援給付金(月額):1級6813円・2級5450円
  • 遺族年金生活者支援給付金(月額):5450円

老齢年金生活者支援給付金について、公表されているのは「基準額」です。この基準額と保険料納付済期間などに基づいて、実際の支給額が計算されます。

保険料納付済期間が40年間(480ヵ月)に満たない場合には、その分が差し引かれて支給されることに留意しておきましょう。

次に見ていくのは、今のシニア世代はどの程度の公的年金を受け取れているのか。厚生労働省の一次資料をもとに、平均年金月額を確認してみましょう。