個人型確定拠出年金のiDeCoは節税効果が高く、老後の資産運用に最適だという話を聞いたことがある人も多いと思います。実際、iDeCoでは積立時には住民税や所得税が軽減され、また運用益には課税されないなど、節税効果の高い制度ではあります。
しかし、「そんな、おいしい話ばかりであるワケがない」と思っている人もいるかもしれません。そこで今回は、iDeCo加入者に大変だったことや困ったことを聞いてみました。
元本割れすることにびっくり!
iDeCoを始めて半年という30代の女性は、「元本割れしてしまったことに少しびっくりして、悲しい気持ちになった」と言います。
「まだ始めたばかりで掛金も少額だったため、大きく元本割れして損をしたわけではありませんが、まさかそんなにすぐに元本割れするとは思っていなかったのでびっくりしました」とのこと。
確かに、iDeCoをきっかけに投資を始めた人は、ちょっとびっくりするかもしれませんね。iDeCoの投資先商品は主に投資信託。預金や元本確保型商品もありますが、投資信託には元本割れする可能性があります。事前に説明を受けていても、実際に自分のお金が目減りするとちょっと気分は下がりますよね。
ただ、iDeCoは長期的な投資になりますから、いま下がっていたからと言って受け取るときにも損をするとは限りません。この先、20年も30年も、じっくり投資していくものなのです。目先の値動きにとらわれず、穏やかな気持ちで付き合っていきましょう。
急にお金が必要になっても使えない不安
iDeCoは原則60歳まで引き出せないということに、大きな不安を覚える人も多いようです。老後資金をつくるための制度として利用しているからには仕方のないことです。しかし、「iDeCoを始める前にわかっていたことなのに、残高が増えていくと不安になった」と話す人も。そう話してくれたのは、転職を機にiDeCoに切り替えたという30代女性。
彼女は企業型確定拠出年金に加入しており、転職を機にiDeCoに資産を移換しました。「それまでは意識したことがなかったから何とも思わなかったけれど、iDeCoに切り替えるときに『60歳まで引き出せません』と書かれているのを見て不安になった」とのことでした。
それまでいくら積み立ててきたかということをあまりに気にしてこなかったという彼女。しかし、iDeCoに切り替えてからはこまめに残高を見るようになり、「これだけの金額があるのに60歳まで引き出せないのか」と思ったのだそう。
「まだ30代で子どももいない。けれど、今後結婚し、出産して子どもを育てていく中で、大金が必要になることはいくらでもあると思う。しかも、毎月ある程度の負担がかかっている。それなのに、自由に引き出せないのは…と戸惑ってしまった」と話してくれました。
30代はまだまだこれからの人生で様々なライフイベントが待ち受けている年齢。ライフイベントとともにお金も動きますから、積み上がった残高を見て逆に不安になることもあるでしょう。
しかし、どんなライフイベントが待ち受けていても老後資金が必要なことには変わりありません。それは別できちんと確保しておいたほうがいいでしょう。確かに、iDeCoの残高があるのに借金をしてまで家を買うのも…という気持ちもわかりますが、用途が違うのだときっぱり割り切って、iDeCoでは老後資金の確保に努めるべきでしょう。
まとめ
いかがでしたか。iDeCoのいいところやメリットばかりが強調されているために、始めてみてから「こんなはずじゃなかった!」と思う場合もあるかもしれません。そうならないためにも、まずはしっかり制度の中身を確認し、自分の意向に沿う制度なのかを吟味してからスタートしてはいかがでしょうか。
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LIMO編集部