シリーズでお伝えしている「企業年収給与研究」。最新の有価証券報告書をもとに注目企業の従業員の年収・給与や従業員数を見ていきましょう。今回は国内大手旅行会社であるエイチ・アイ・エスです。

エイチ・アイ・エスの平均年間給与はいくらか

エイチ・アイ・エス(提出会社)の2018年10月31日時点での平均年間給与は 451.4万円と400万円を超えています。また、従業員の平均年齢は32.3歳となっており40歳を下回っています。平均勤続年数は8.1年となっています。

エイチ・アイ・エスの従業員数は何人か

有価証券報告書の提出会社(単体)の従業員数は2018年10月31日時点で5498名。単体で5000人以上の従業員数がいます。単体のセグメント別従業員数は以下の通りです。

  • 旅行事業:5405名
  • 全社(共通):93名

また、連結の従業員数は1万3875名。セグメントごとの内訳は以下の通りです。

  • 旅行事業:1万936名
  • ハウステンボスグループ:694名
  • ホテル事業:578名
  • 九州産交グループ:1491名
  • その他:83名
  • 全社(共通):93名

過去5年の業績動向

エイチ・アイ・エス(連結)の業績推移についても見ておきましょう。

まず、売上高ですが、過去5年をみると増収傾向にあります。2014年10月期に5232億円であった水準が、2018年10月期には7285億円となっています。

また、経常利益については、2014年10月期の190億円から2015年10月期の226億円まで増益でしたが、2016年10月期にはいったん86億円に減益となりました。その後は2017年10月期の196億円から2018年10月期の194億円まで、ほぼ横ばい傾向となっています。

投資家が重視する「ボトムライン」でもある親会社株主に帰属する当期純利益は経常利益と同様、2014年10月期の90億円から2015年10月期の108億円まで増益でしたが、2016年10月期には2億円に減益となりました。その後は2017年10月期の132億円から2018年10月期の109億円まで、ほぼ横ばい傾向となっています。

まとめにかえて

年収や給与といった金銭面での条件は仕事をする人にとっては誰もが気になる要素ではないでしょうか。金銭面での処遇以外にも、働きがいや働きやすさといった職場環境が大事なのは言うまでもありません。

ただ、年収や給与などの「お金」の話は親しい仲でも聞きにくいというのが実際ではないでしょうか。こうしたデータが就職活動や転職活動の参考になれば、幸いです。

【注意点】有価証券報告書における年間平均給与及び従業員数について

平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでいます。また、従業員数は就業人数です。基本的には、社外からの出向者を含み、社外への出向者は含みません。

【ご参考】有価証券報告書とは

日本証券業協会によれば、有価証券報告書は「金融商品取引法に基づいて上場会社が事業年度ごとに作成する会社内容の開示資料です。株式を上場している会社は、各事業年度終了後、3か月以内に財務局長および上場証券取引所に有価証券報告書の提出が義務付けられています」とされています。

LIMO編集部