2. 令和6年度にも制度改正があった
大学無償化制度は、令和6年度にも制度改正があり、対象となる学生の範囲が拡大されました。
対象となったのは、世帯年収600万円程度までの以下のケースです。
- 扶養している子どもが3人以上いる多子世帯
- 理工農系に進学する学生
多子世帯には、第Ⅰ区分の支援額の4分の1の金額が支給され、理工農系の学生には、私立文系学部との授業料差額分が支給されます。
3. 令和7年度から多子世帯の所得制限が撤廃される
大学無償化制度は、令和2年4月からスタートした制度であり、前章で解説したように、令和6年度に対象範囲の一部拡大が行われました。
そして令和7年度より、多子世帯の所得制限が撤廃され、利用できる世帯の範囲が拡大します。
令和7年度からの概要は以下の通りです。
※私立大学の場合
3.1 「子ども」の数え方に注意
支援の対象となる多子世帯の学生は、「扶養している子どもが3人以上で、なおかつ大学等に通っていること」と決められています。そのため、扶養している子どもが独立して2人以下になった場合は、支援の対象外となります。
上図のように、扶養している子どもが3人おり、一番上の子どもが大学生の場合は、その学生は支援の対象です。また、3人中2人が大学生の場合は、その2人が対象になります。
しかし、一番上の子どもが就職し扶養から外れた場合は、2番目の子どもは支援の対象外になります。
4. まとめにかえて
大学無償化制度は、高額になりがちな進学費用の負担を軽減するために役立つ制度です。経済的な理由で進学をあきらめざるを得ない学生をなくすためにも、支援対象となる条件を確認し、活用していきたいものです。
また、まだ子どもが小さい世帯では、早めに教育資金を準備しておくことも検討しましょう。預貯金や学資保険、NISAといった制度を利用して、計画的に準備することをおすすめします。
参考資料
木内 菜穂子