3. 年金額は毎年度改定で今年度増額も「実質目減り」

年金額は毎年度改定されます。

物価高の中、厚生労働省によると2025年度の年金額例は以下の通りでした。

3.1 2025年度の国民年金と厚生年金の年金額例

  • 国民年金(老齢基礎年金(満額)):6万9308円(+1308円)
  • 厚生年金:23万2784円(夫婦2人分)(+4412円)

※昭和31年4月1日以前生まれの方の老齢基礎年金の満額は月額6万9108円(対前年度比+1300円)

※厚生年金は「男性の平均的な収入(平均標準報酬(賞与含む月額換算)45万5000円)」で40年間就業した場合に受け取り始める年金(老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金(満額))の給付水準

物価高により1.9%増額も、マクロ経済スライドの調整により実質的には目減りです。少子高齢化の日本では、物価高に年金が対応しきれないことは考えておきたいところでしょう。

今回の厚生労働省の資料では、多様なライフコースに応じた年金額例も紹介されています。

現代はさまざまな生き方や働き方が増えていますから、目安を知りたい方もいるでしょう。

多様なライフコースに応じた年金額

多様なライフコースに応じた年金額

出所:厚生労働省「令和7年度の年金額改定についてお知らせします」

厚生年金中心で働いた男性と女性それぞれの2025年度の年金額例をみてみましょう。

3.2 厚生年金期間中心の男性:年3万8808円増額

年金月額:17万3457円(+3234円)

  • 平均厚生年金期間:39.8年
  • 平均収入:50万9000円 
  • 基礎年金:6万8671円
  • 厚生年金:10万4786円

※平均年収は賞与含む月額換算。

男性の場合、厚生年金の加入期間は40年近くで平均的な年収が50万9000円、年金月額は17万3457円となり、年約3万8000円の増額でした。

3.3 厚生年金期間中心の女性:年2万9556円増額

年金月額:13万2117円(+2463円)

  • 平均厚生年金期間:33.4年
  • 平均収入:35万6000円
  • 基礎年金:7万566円
  • 厚生年金:6万1551円

※平均年収は賞与含む月額換算。

女性は厚生年金の加入期間が約33年、平均収入が35万6000円。この場合、年金月額は13万2177円で、年約3万円の増額でした。

こちらでも約4万円の月額差がみられました。

実際には個人の加入期間や収入に応じますので、ねんきんネットで年金見込み額を確認しましょう。