3月も終わりを迎え、今年も早いことに4分の1が終わりました。4月から新年度が始まり出費も増える中、「今年度こそ家計を見直して貯蓄をしたい」と考える方もいるでしょう。

住宅資金・教育資金・老後資金の人生三大資金のうち、一番大きくかかる可能性が高い老後資金。

「人生100年時代」と言われているように、健康寿命の延びに伴い想像以上に資金が必要となるでしょう。そのため、労働収入や年金以外にもまとまった貯蓄を用意しておくと安心です。

今回は60歳代と70歳代のシニア世帯にフォーカスして、実際にどれくらい貯蓄を保有しているかをみていきます。

物価高がつづくいま「老後3000万円は用意したい」という人もいるでしょう。そこで「貯蓄3000万円超世帯」の割合も確認します。

1. 【60歳代・二人以上世帯】貯蓄3000万円超の世帯は何%?平均・中央値もチェック

金融経済教育推進機構(J-FREC)の「家計の金融行動に関する世論調査(2024年)」から、「60歳代・二人以上世帯」の貯蓄(金融資産を保有していない世帯を含む)のデータを眺めていきます。

貯蓄額には、日常的な出し入れ・引落しに備えている普通預金残高は含まれません。

1.1 60歳代の二人以上世帯:金融資産保有額一覧をチェック

60歳代・二人以上世帯の貯蓄額の平均は2033万円。一方、より実態に近い中央値は650万円にまで下がります。

保有額帯ごとの世帯分布も見てみましょう。

  • 金融資産非保有:20.5%
  • 100万円未満:6.5%
  • 100~200万円未満: 5.3%
  • 200~300万円未満: 3.7%
  • 300~400万円未満:3.1%
  • 400~500万円未満:3.1%
  • 500~700万円未満:6.3%
  • 700~1000万円未満:5.3%
  • 1000~1500万円未満:8.9%
  • 1500~2000万円未満:5.8%
  • 2000~3000万円未満:8.0%
  • 3000万円以上:20.0%
  • 無回答:3.6%

60歳代・二人以上世帯で「貯蓄が3000万円超」となるのは20.0%。一方、「金融資産非保有=貯蓄ゼロ」世帯も20.5%と、ほぼ同じ割合です。

60歳代は、すでにリタイア後の年金生活を送る世帯もあれば、まだ現役として働いている人も多く存在します。定年退職金や相続などでいっきに貯蓄額が引き上がったという世帯も、一定数あるでしょう。

次は70歳代世帯についても見ていきます。