4. 【現役世代が知っておきたい】老後に受け取る「年金」の予備知識
では最後に、現役世代が知っておきたい「年金のあまり知られていない予備知識」について紹介していきます。
4.1 年金は毎月支給されない!次回の年金支給月は「4月」
前章で触れた「年金の平均額」は月額となっていますが、実際の支給は毎月ではないため、支払日を確認することが大切です。
年金は通常、年間6回、偶数月の15日に振り込まれます(※15日が土日や祝日にあたる場合は、直前の平日に支給されることになります)。
【年金の支払月と支払対象月】
- 2月:12月と1月分
- 4月:2月と3月分
- 6月:4月と5月分
- 8月:6月と7月分
- 10月:8月と9月分
- 12月:10月と11月分
年金は一般的に「前月までの2ヶ月分」がまとめて支給され、たとえば、次回の支給月である4月には、2月分と3月分の2ヶ月分が支払われることになります。
現役世帯では家計管理を1ヶ月単位で行うのが一般的ですが、年金生活では支給が2ヶ月単位となるため、この点を考慮して老後の家計管理を行うことが重要です。
4.2 現役時と同様に年金からも「税金・社会保険料」が天引きされる
前章で紹介した「年金の平均月額」は額面の金額に過ぎません。
実際には、現役時と同様に「税金」や「社会保険料」が差し引かれるため、手取り額は額面金額よりも少なくなります。
老齢年金から控除される「税金」や「社会保険料」は、次の4種類です。
- 所得税と復興特別所得税
- 個人住民税
- 介護保保険料額
- 後期高齢者医療保険料、国民健康保険料(税)
年金から天引きされる費用については、各自治体が詳細を掲載しているため、気になる方は、お住まいの自治体ホームページで一度確認してみると良いでしょう。
5. 現役時のうちに「老後に受け取る年金見込額」の確認をしておこう
本記事では、年代別の年金の平均受給額について解説していきました。
国民年金の平均額はどの年代でも約5万円程度であり、より手厚いとされる厚生年金でも14〜16万円程度にとどまっています。
現役時代の収入と比べると、老後の収入は大きく減少することが予想され、多くの世帯が年金に加え、貯金を取り崩すか、または働いて生活費を補っている現状があります。
上記をふまえ、安心した老後生活を送るためには、現役時のうちから老後資金の準備を進めることが重要です。
まずは「ねんきんネット」や「ねんきん定期便」を活用し、年金見込み額を確認した上で、老後の生活費にどれだけ不足が出るかをシミュレーションしてみることをおすすめします。
参考資料
- 厚生労働省「令和7年度の年金額改定についてお知らせします」
- 日本年金機構「公的年金制度の種類と加入する制度」
- 厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 日本年金機構「年金はいつ支払われますか。」
- 日本年金機構「国民年金保険料」
中本 智恵