以前の運動会といえば、ママは早起きして豪華なお弁当づくり、パパは早朝から並んで場所取りをする家族総出の大がかりなイベントといったイメージでした。しかし今は、事情が少し違う様子。共働きの家庭も増えているためか、親の負担が少ないケースが増えているそうです。一方で、密かに大変かも?と言われているのが親子遠足。今回は、こうした秋の行事について現役ママたちに話を聞いてみました。

午前中に終了・お弁当なしが運動会の新常識!?

筆者は現在30代前半、自身が子どもの頃は親といっしょに食べるお弁当が運動会の楽しみのひとつでした。重箱のような大きな入れ物にぎっしり詰まった、いなり寿司や手作りコロッケ。校庭にシートを広げて食べるという特別なシチュエーションにもワクワクしたことを覚えています。

出産後復職してからは、子どもの運動会が楽しみではあるものの少し不安もありました。前日も仕事をして夕飯づくりや寝かしつけ、それから運動会用の豪華なお弁当を仕込むなんて、正直自信がなかったのです。しかし、初めての運動会のお知らせを見て驚愕!なんと、お弁当が不要とのこと。これってうちの園だけ?と思い他園のママたちに聞いていると、運動会の新常識が見えてきました。

「運動会は午前中で終わるので、お弁当はいりません。むしろ会場は食事禁止。水分補給のみ許可されています。会場に入れる時間も決まっていて、早く行っても意味がないのでかなりラクです」

「うちの小学校は児童数が多く、撮影用のカメラ席は競技中の学年の保護者しか入れません。入れる人数が限られているとけっこう前のほうに行けるので、場所取りをする必要がなくなりました。学年ごとに色が違う許可証を首から下げておくのですが、関係ないときにカメラ席に入ってると周囲に嫌味を言われますし」

お弁当が不要なように、お昼までに終了できるプログラムを組む園や学校も増えているようです。またスマホやビデオが普及したことで、「わが子の姿をなるべく近くから撮りたい」と考え、競技を見るよりも撮ることに熱中してしまう親が増えている現代。それを考慮して、撮影専用のスペースまで設けられているようです。

親子遠足に苦しめられるママが増えている!?

多くのママたちを悩ませてきた行事といえば、運動会だけではありません。親子遠足もそのひとつ。ママ同士の親睦を深めるチャンスではありますが、単純に子どもと遠足を楽しんで帰るというわけにもいかないようです。みなさんのエピソードをご紹介します。

「わが家が選んだ幼稚園は、毎年親子遠足でママ同士のグループができて、そのグループのみんなで連絡先を交換するので…なんとしても行かなければなりません。第2子妊娠中でツラかったけど、”ぼっち”になるのは嫌なので無理して参加しました」

「遠足の直前に『自分用のお菓子とは別に、みんなでシェアできる小袋のお菓子を持たせておくのが暗黙のルール』と知って、大慌て。友人に話したら『えー!そんなことも知らなかったの? けっこう常識だよ』って言われました。最近は人に配る食べ物ってアレルギーとかも気になるし、用意も難しいんですよね」

「ほかのママたちにもお弁当を見られるのが、正直しんどいです。みんな、かわいいお弁当ばっかり! 毎回プレッシャーになります」

ほとんどの人が携帯を持ち、普段からママ同士が気軽にコミュニケーションを取れるようになった今。“親しくならなければならない”と気負ってしまうママが多いのかもしれませんね。ほかにも、お弁当が地味だと可哀想に見られるような気がしたり、アレルギーに配慮した食べ物を配らなければ無神経に思われたり、気をつかうところがたくさんありそうです。

親子遠足はわが子が疲れてグズグズ言い出さないか、ほかの人に迷惑をかけないかを考えるだけでも大変なのに…運動会とは反対に、以前より親の負担が増えているような気もします。

ママと同じように頑張っているもうひとりの存在

園(学校)行事は、ママにとって大変なこともたくさんあるでしょう。しかし、そこでぜひ先生たちの頑張りにも目を向けてほしいものです。先生は子どもたちが安全に行事に参加できるよう、また親の負担が少しでも軽くなるよう、さまざまな工夫や配慮をしてくれています。わが子のために日々奮闘してくれている先生に協力する気持ちでいると、憂鬱な準備も少し気がラクになるかもしれません。

桜井 まどか