ここ数年で一気に市民権を得て、今やクリスマスにつぐ一大イベントとなった感のあるハロウィーン。しかし、「なかなかハロウィーンの習慣になじめない…」と言う方もまだまだ多いのではないでしょうか。にもかかわらず、周囲の人たちのお祭り気分に否が応でも巻き込まれてしまって…という話もチラホラ耳にします。そこで今回は、実際に起こったハロウィーンにまつわるトラブルを2つご紹介します。
玄関を開けると…
まずご紹介するのは、30歳の公務員、C子さんのエピソード。彼女はマンションに夫と2人暮らし。子どもがいないので、ハロウィーンに対してなんの思い入れもなく、世間がそんなに盛り上がっていることすら知らなかったそうです。そんな彼女が「ハロウィーントラブル」に巻き込まれたのは、去年の10月末日。夫とふたりで夕食を食べていたときのことです。
「インターホンが鳴ったので玄関を開けると、そこには仮装をした数人の小学生くらいの子どもたち。私の顔を見るや否や『トリックオアトリート!』とものすごく大きな声で叫ぶんです。何のことやらわからず、『何?』って聞くと、子どもたちはイライラしたように、再度大きな声で『トリックオアトリート!』と、お菓子のたくさん入った袋を私に見せて来たんです。
どうやら同じマンションの子どもたちが、仮装をしてお菓子をもらうために部屋を回っているみたい。でも、我が家は大人2人で暮らしているので、お菓子の買い置きなんてあるはずもなく…。
『ごめんなさい、こんなイベントがあるなんて知らなかったから、お菓子用意していないの。明日来てもらってもいい?』と伝えると、あからさまにムスッとした顔で『明日なんか来れるわけないじゃん!』『今日じゃないと意味ないのに!』と文句を言いながら去って行きました。
マンションのイベントなのかな…?と思ってたんですが、そんなはずはありませんよね。やっぱり苦情が出たようで後日マンションの掲示板に『ハロウィーンのときに、住人にお菓子を貰いに行く行為はやめてください』と張り紙が。でも、今年は念のため、お菓子を用意しておこうかな…とも考えちゃってます」
幼児教室で…
続いてご紹介するのは、夫と4歳の女児との3人家族のMさん34歳。彼女は去年の幼児教室でのできごとを思い出すと、今でも胸が痛むそうです。
「週に1回、娘を幼児教室に通わせています。アットホームな雰囲気で、ママ同士も仲が良く、親子で楽しめる素敵な教室です。去年の10月のある日、ひとりのママが幼児教室のグループLINEで、『来週の教室、ちょうどハロウィーンだし、子どもに仮装させていかない?』と提案してくれたんです。『それは楽しそう!』とみんなで大盛り上がり。
そして当日、思い思いの仮装で登場した子どもたち。教室のあちこちで撮影会が始まったり、お互いの仮装を褒め合ったりと大盛りあがり。それに比べて先生は浮かない顔。
実は、ハロウィーンの前の週に新規で教室に入会した女の子がいたことをすっかり忘れていたんです。教室のみんなは仮装しているのに、その子だけ普通の服装。教室の間中ずっと下を向いていたその子。ときおりママに『私もドレス着たかった』などと怒り、そのうちに泣きだしてしまいました。
先生が必死でなだめたり、その子に教室で使うお人形を貸したりしていたんですが、ついにママが『今日はもう帰ります…』と。
彼女たちが教室を後にすると先生が、『ハロウィーンイベントをしたい気持ちはよくわかりますし、子どもたちの仮装はとっても可愛いのですが、するのなら教室主導と言う形にしないと、今日みたいなトラブルが起こってしまいますので…。あと、仮装などは負担に思われる方もいらっしゃるのでやめましょう、と案内に書かせていただいてますので、どうかご理解くださいね』と。
私たち、ハロウィーンに浮かれ過ぎて大切なことを見落としてしまっていたんです」
盛り上がるのもほどほどに
テレビや雑誌、SNSなどで可愛らしい仮装や楽しそうなイベントの告知を見ると、どうしても気分が盛り上がってしまいますよね。しかし、ハロウィーンに限らずそのようなイベントが苦手な人もいることは忘れたくないもの。盛り上がるのは家族や親しい仲間うちでとどめておきたいものですね。またハロウィーンのイベントに気が進まない場合は「子どもが怖がるの」「その日は都合が悪くて」などと上手い口実を今から用意しておきましょうね。
大中 千景